SSブログ

二百十番館へようこそ [本]

5月23日(日)
加納朋子『二百十番館へようこそ』(文藝春秋)読了。

二百十番館にようこそ

二百十番館にようこそ

  • 作者: 朋子, 加納
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/08/05
  • メディア: 単行本


「俺」は30間近の独身男で、就活に失敗して以来、実家の自室に閉じ籠もってオンラインゲームの毎日。
つまり、いわゆる「ネトゲ廃人」。
ある日、会ったこともない叔父が亡くなり、その遺産として、離島の宿泊施設が「俺」のものになった。
早速、弁護士と乗り込んだが、それは両親の罠だった。
「俺」がいない間に、両親は実家を売り払い、「俺」との連絡を拒否。
つまり、「俺」は棄てられたのだ。
離島の宿泊施設を、ニートの「俺」が住むから「二百十番館」と名付け、暮らし始めるが……。

加納朋子氏の本はこれが26冊目。
加納氏は1966年生まれで、1992年に『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞受賞。
1995年、『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)受賞。
「日常の謎」派のミステリー作家として活躍し、『ささらさや』(2001年)、『スペース』(2004年)、『てるてるあした』(2005年)などの秀作を連発。
しかし、近年は明らかに不調に陥っている。
『二百十番館へようこそ』はユーモア小説だが、主人公に都合のいいことばかりが起こり、現実感は薄い。
偉そうだけど、加納氏に「頑張れ!」と言いたい。

今朝は今年23回目のジョギング。
3,5キロ走って、1,5キロ歩いて、0,5キロ走りました。
3,5キロのタイムは19分57秒。
先週より9秒短くなりました。
午後は息子と浅草九劇へ行き、シアターキューブリック『幸せな孤独な薔薇』を見てきました。
脚本は故・田嶋ミラノさん。
20年前の初演の演出は僕でした。
見ながら、ミラノさんと二人でやった脚本会議を思い出しました。
好きな小説の話から始めたのですが、僕は『赤毛のアン』派、ミラノさんは『秘密の花園』派でした。
『幸せな孤独な薔薇』は、ミラノ版『秘密の花園』。
ただし、『幸せな孤独な薔薇』というタイトルを考えたのは、僕です。
シアターキューブリックの公演は26日(水)までです。

nice!(2) 
共通テーマ:演劇

nice! 2