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噓つきジェンガ [本]

12月31日(土)
辻村深月『噓つきジェンガ』(文藝春秋)読了。

噓つきジェンガ (文春e-book)

噓つきジェンガ (文春e-book)

  • 作者: 辻村 深月
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2022/08/25
  • メディア: Kindle版


2020年、春。
加賀耀太は東北生まれで、大学入学のために上京したが、それがコロナ禍の真っ盛り。
両親が実家で営む定食屋も大打撃で、耀太はアルバイトを探すが、なかなか見つからず、ようやく面接にこぎつけてもあえなく不合格。
そんな時、幼馴染の奥田甲斐斗がアルバイトを紹介してくれた。
ネットで、架空のアカウントで、リストにある人物に接触し、親しくし、アクセサリーを買わせるというもの。
奥田はそれで月に15万円稼いでいると言う。
それだけ入れば、両親から仕送りをしてもらわなくても済むと、早速始めてみるが‥‥。

辻村深月さんの本はこれが35冊目。
現代の詐欺をテーマにした短編3つを収録した短編集で、上記は一つ目の、『2020年のロマンス詐欺』。
ちなみに、『噓つきジェンガ』という小説はない。
ネット、お受験、オフ会と、まさに現在が題材になっていて、非常に身近に感じられるがゆえに、怖い。
が、それだけで終わらせないのが辻村さんで、3作とも、読んでいる最中は恐怖と不安でいたたまれないのに、読後感は爽やか。
さすがと言うべきだろう。
僕は三つ目の『あの人のサロン詐欺』が一番楽しめた。
お薦めです。

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