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「推し」の科学 [本]

3月10日(金)
久保(川合)南海子『「推し」の科学』(集英社新書)読了。

「推し」の科学 プロジェクション・サイエンスとは何か (集英社新書)

「推し」の科学 プロジェクション・サイエンスとは何か (集英社新書)

  • 作者: 久保(川合)南海子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2022/08/24
  • メディア: Kindle版


愛知淑徳大学心理学部教授の久保(川合)南海子が、アイドルやアーティストを「推す」という行為を、認知科学の視点で分析・解説する。

アイドルやアーティストを「推す」という行為は、認知科学の世界では「プロジェクション」と呼ばれているらしい。
「プロジェクション」の定義は、「作り出した意味、表象(イメージ)を世界に投射し、物理世界と心理世界を重ね合わせる心の働き」。
①物理世界から情報を受容する。
②自分の心理世界に表象(イメージ)を構成する。
③表象が一つの意味になる。
④物理世界に表象(イメージ)を投射する。
⑤物理世界が意味付けられた世界になる。
「推し」を推すのは「プロジェクション」だが、「推し」のない人も「プロジェクション」を行っている。
たとえば、枯れすすきを幽霊と見間違えるのも、「プロジェクション」なのだ。
久保(川合)氏は、この「プロジェクション」という視点から、推し活、腐女子の二次創作、マンガやアニメの実写化、モノマネ、ぬい撮り、コスプレなどの現代文化・風俗を分析していく。
気軽な読み物かと思ったら、意外と深い、認知科学の最先端を紹介する本だった。
お薦めです。
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