SSブログ

地図と拳 [本]

3月25日(月)
小川哲『地図と拳』(集英社)読了。

地図と拳 (集英社文芸単行本)

地図と拳 (集英社文芸単行本)

  • 作者: 小川哲
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2022/06/24
  • メディア: Kindle版


1899年夏、中国、満州、李家鎮(リージャジェン)。
陸軍の高木少尉は、ロシアの偵察を命じられ、通訳の細川と共に満州へ向かった。
1901年冬。
ロシア人宣教師のクラスニコフ神父は、義和団事件に巻き込まれ、信徒の林と李家鎮を出た。
李家鎮は小さな村だったが、やがて大きな町になり、仙桃城(シェンタオチョン)と名前を変え、様々な人々が通り過ぎていった。
1899年から1955年まで、56年にわたる村の歴史を全19章で描いた長編小説。

第168回直木賞、第13回山田風太郎賞を受賞した小説。
633ページで、読むのに5日もかかった。
いわゆる「鈍器本」だが、テーマは「満州」「地図」「建築」「戦争」で、かなりマジメな小説。
直木賞の選考会議ではほぼ満票で、非常に評価が高かった。
しかし、
〇登場人物が多すぎて、覚えきれない。
〇話の展開が速くて、景色、自然、登場人物の容貌、衣服など、細かい描写が全くない。
そのため、僕にはあまり楽しめなかった。
が、1986年生まれの小川哲氏がこれを書いたのは本当に凄いことで、巻末には8ページにわたって参考にした書籍がリストアップされていた。
本作は雑誌「小説すばる」に2018年10月号から2021年11月号まで(途中2度の休載を挟んで)連載された。
力作である。

nice!(3) 
共通テーマ:演劇

nice! 3