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芥川症 [本]

7月31日(月)
久坂部羊『芥川症』(新潮文庫)読了。

芥川症 (新潮文庫)

芥川症 (新潮文庫)

  • 作者: 久坂部 羊
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/12/23
  • メディア: 文庫


藪内の父が医療センターで亡くなった。
一週間前に腹痛のため,救急車で運ばれたが、その後、容態は安定していたはずだった。
内科部長に説明を聞くと、専門用語ばかりで意味がよくわからなかった。
別の若い医師に話を聞くと、内科部長の話とは明らかに矛盾している部分があった。
不安になった藪内は調査を開始するが……。
芥川龍之介の短編をモチーフにした短編7つを収録した短編集で、上記は一つ目の『病院の中』。

芥川龍之介ファンの僕は、書店でこの本を発見して、直ちに購入した。
が、これは「芥川症」という病気を題材にした小説ではなかった。
「芥川症」にかかった久坂部羊氏が、芥川っぽい小説を書いた、という体裁の本だった。
『病院の中』はもちろん、『藪の中』をモチーフにしている。
『他生門』は『羅生門』、『耳』は『鼻』、『クモの意図』は『蜘蛛の糸』、『極楽変』は『地獄変』、『バナナ粥』は『芋粥』、『或利口の一生』は『或阿呆の一生』。
久坂部氏は医師出身だけあって、病院を舞台にした話が多く、医師の目から見た日本の医療の問題点をガンガン描き、とても興味深かった。
他の作品も読みたくなった。

大曲発0950のこまちに乗って、東京へ帰ってきました。
朝、ホテルから横手駅までタクシーで行って、お土産を買って、携帯電話の充電器をホテルの部屋の机の引き出しの中に置き忘れてきたことに気づきました。
大曲へ行く電車が発車するまで、あと23分。
直ちに、ホテルに向かって駆け出しました。
ホテルまで約1キロ。
23分なら駆け足で十分に間に合うと踏んだのです。
駅に戻った時、残りは5分。
やはり余裕でセーフでした。
ところが、その後が大変だった。
横手は夏でもエアコンがいらないほど涼しいのに、駅に戻って、立ち止まった途端に汗がドッと吹き出した。
電車に乗っても、汗は出続けた。
まるで、本番中の筒井俊作。
汗まで計算しなかった僕が迂闊でした。
そんなこんなでとっても楽しかった、演劇大学IN横手。
またいつか演劇大学に参加したい、横手に行きたいと思いました。

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