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リセット [本]

8月25日(金)
北村薫『リセット』(新潮文庫)読了。

リセット (新潮文庫)

リセット (新潮文庫)

  • 作者: 北村 薫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/06/01
  • メディア: 文庫


昭和初期。
真澄は兵庫県芦屋に住む女学生。
父は「六甲ハミガキ」の重役で、裕福な生活をしている。
「六甲ハミガキ」の社主の娘・八千代は、真澄の同級生。
ある日、八千代の家に遊びに行き、そこで八千代の従兄の修一と出会う。
真澄は修一に一目で惹かれたが、口には出来なかった。
やがて、日本は戦争の渦に巻き込まれていった……。

この本を読むのは2度目。
佐藤正午氏の『月の満ち欠け』を読み、そう言えば『リセット』も生まれ変わりの話だったと思い出して、再読した。
再読して気づいたのは、北村薫さんは生まれ変わりの物語よりも、昭和10年代の芦屋(第一部の舞台)や、昭和30年代の埼玉(第二部の舞台)を描くことに力点を置いているということ。
いわば「昭和風俗史」とでもいうべき小説なのだ。
特に昭和30年代は北村さんの少年時代に当たるので、力の入り方か違う。
第二部の主人公・和彦が、どんどん北村さんに見えてきた。
物語自体は非常にシンプルで、感動的。
やはり、『スキップ』『ターン』『リセット』の「時の三部作」は傑作だ。

妻と大学2年の娘が、ままごと『わたしの星』を見てきました。
とても楽しんだようです。
妻の幼馴染みも見に来ていて、その人の友人の娘が、なんと出演者の一人だった!
世の中って狭い!
息子は本編もアフタートークもしっかり役目を果たしていたようです。
ホッとしました。

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