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もっと言ってはいけない [本]

1月25日(金)
橘玲『もっと言ってはいけない』(新潮新書)読了。

もっと言ってはいけない (新潮新書)

もっと言ってはいけない (新潮新書)

  • 作者: 橘 玲
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/01/17
  • メディア: 新書


作家の橘玲が、マスコミがけっして取り上げない、しかし科学的に証明された、不都合な事実を紹介・解説する。

前作『言ってはいけない』はベストセラーとなり、2017年新書大賞を受賞した。
この本はその続編で、人種と知能の関係をさらに掘り下げる。
PIAACはOECD主催の国際調査で、「16歳から65歳の成人を対象として、社会生活において成人に求められる能力のうち、読解力、数的思考力、ITを活用した問題解決能力の3分野のスキルの習熟度を測定する」ことを目的に、24カ国・地域において、約157000人を対象に実施された。
その結果、日本は読解力が1位、数的思考力が1位、ITを活用した問題解決能力が10位で、総合1位を獲得した。
が、喜ぶのは早い。
解けなかった問題の分析によって、以下のことが判明したのだ。
①日本人のおよそ3分の1は日本語が読めない。
②日本人の3分の1以上が小学校3~4年の数的思考力しかない。
③パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない。
④65歳以下の日本の労働力人口のうち、3人に1人がそもそもパソコンが使えない。
これは2013年の調査だが、何とも衝撃的な内容だ。
「そんなバカな!」と思う人は、そう思える環境で生きているのだ、と作者の橘玲氏は言う。
そんな日本が世界第1位だとすると、他の国はどうなってしまうのか。
この本を読めば、その答えがわかる。
前作に勝るとも劣らない、衝撃的な本。
お薦めです。

知能は遺伝と教育によって発達するが、成長によって、その比率は変わる。
普通は、教育の比率が高くなる、と考えるだろう。
が、事実は逆なのだ。
子供にどんなに早い段階から英才教育をほどこしても、成長すると、遺伝の比率が高くなり、親の知能に近付く。
子供はいずれ親に似るのだ。
そんなことが既に科学的に証明されているなんて、ビックリ。
そりゃ、マスコミが取り上げるわけありませんな。
でも、この歳になると、「そうだろうな」と思えてしまう。
だからと言って、教育が無駄なわけではないが。

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