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言霊たちの夜 [本]

4月26日(金)
深水黎一郎『言霊たちの夜』(講談社)読了。

言霊たちの夜

言霊たちの夜

  • 作者: 深水 黎一郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/05/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


土曜の夕方、優史は自宅でラジオを聞いていた。
「外務省のお食事券」「大雨でJRが普通」など、おかしなニュースが続いていた。
同僚の杉本から電話があり、明日から始まるプロジェクトの新メンバーを検討。
「やっぱり関は入れない」「梶もダメだ」「何よりも重要視すべきなのは若狭だよ」。
電話を切ると、台所で夕食を作っていた4歳上の恋人の美穂が泣きながら「優史さんは私と結婚する気がないのね!」と言って、出ていった。
優史は机の抽斗から婚姻届を出し、丸めて捨てた……。
「言葉」「日本語」をテーマにした短編4つを収録した短編集で、上記は一つ目の『漢は黙って勘違い』。

深水黎一郎氏の本はこれが9冊目。
本来はミステリー作家だが、所収の4編はどれもユーモア小説。
それも相当バカバカしく、ちょっぴり実験的で、筒井康隆氏の世界に近い。
僕は三つ目の『鬼八先生のワープロ』が一番気に入った。
文芸評論家の主人公が、「SM作家伴鬼八」先生の遺品のワープロで文章を打ったら、とんでもない誤変換が次々と起こる、という話。
バカも極まれりと思った。

『ナツヤスミ語辞典』の4場のパフォーマンスでは、「カニタニ」「サルサワ」「ウスイケ」が懐中電灯で手旗信号をやります。
2003年のキャラメルボックスの公演も、一昨年の東京放送芸術&映画俳優専門学校スペシャル公演も、僕が振付しました。
昨日の稽古で、みんなで東京放送芸術&映画俳優専門学校の映像を見て、その振りを確認したのですが、速くてよくわからない。
しかし、僕はその手旗信号が表現している言葉を思い出せない。
困っていたら、演出補の水谷が手旗信号の一覧表を持ってきた。
で、みんなで解読したら、わかった!
なるほど、いかにも夏休みの女子中学生が選びそうな、3種類の3文字の言葉でした。
その言葉とは……。
千秋楽が終わったら、ここに書きたいと思います。

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