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風葬 [本]

11月21日(木)
桜木紫乃『風葬』(文藝春秋)読了。

風葬 (文春文庫)

風葬 (文春文庫)

  • 作者: 桜木 紫乃
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/12/01
  • メディア: 文庫


北海道、釧路。
篠塚夏紀は30歳の書道塾の教師。
母・春江の後を継いで書道家になったが、プロへの道は諦めている。
春江は50代後半だが、ボケの症状が出始めた。
うわ言で「ルイカ岬」と言った。
聞いたことのない地名だったが、ある日、地元の新聞の日曜文芸欄に投稿された短歌に「涙香岬」とあるのを見つけた。
夏紀はその短歌の作者・沢井徳一に会うため、根室に向かった……。

桜木紫乃氏の本はこれが17冊目。
初期の作品だが、読み落としていた。
ヒロインがハードボイルド・タッチで、母の出生の秘密を探っていく。
もう一人の主役が元・中学教師で、教え子がイジメの被害で自殺したため、教職を追われ、根室の実家に帰ってくる。
被害者の父親が起こした裁判に出廷する場面など、なかなか生々しかった。
が、物語自体は、偶然の一致が多く、少々都合がいいという印象。
残念。


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