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後妻業 [本]

8月12日(水)
黒川博行『後妻業』(文春文庫)読了。

後妻業 (文春文庫)

後妻業 (文春文庫)

  • 作者: 黒川博行
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/06/10
  • メディア: Kindle版


大阪。
柏木亨は結婚相談所「ブライダル微祥」の経営者。
60代の女・武内小夜子と組んで、「後妻業」で荒稼ぎしている。
相談所にやってくる裕福な老人に、佐代子を紹介し、老人の全財産を奪い取るのだ。
佐代子が籠絡した91歳の老人・瀬川耕蔵が脳梗塞で倒れ、入院した。
柏木と小夜子は耕蔵の所有する金庫を開け、数千万を奪う。
耕蔵には2人の娘がいて、小夜子の行動に不信を持ち、弁護士に調査を依頼する……。

黒川博行氏の本はこれが6冊目。
黒川氏の友人である歌人・道浦母都子氏の父親に起こった事件をモデルとしているらしい。
後妻業者の柏木と小夜子が、人間として最悪で、読みながら非常にイヤな気持ちになった。
が、同時に、リアリティの凄さに唸り続けた。
後半、二人は悪事が露顕し、崩壊していく。
主人公たちが崩壊するのが快感、という小説は初めてだった。
2014年に刊行され、2016年に『後妻業の女』のタイトルで映画化された。
監督・脚本 - 鶴橋康夫、「小夜子」は 大竹しのぶ、「柏木」は豊川悦司。
さらに、2019年にはカンテレと共テレの制作によりテレビドラマ化され、フジテレビ系の「火曜21時枠」で放送された。
「小夜子」は木村佳乃、「柏木」は高橋克典。

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