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彼女たちの場合は [本]

1月19日(火)
江國香織『彼女たちの場合は』(集英社)読了。

彼女たちの場合は

彼女たちの場合は

  • 作者: 江國 香織
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/05/02
  • メディア: 単行本


ニューヨーク。
礼那は14歳で、ニューヨークに来て、5年目。
父の潤、母の理生那、9歳の弟・譲、17歳のいとこ・逸佳と暮らしている。
逸佳は、理生那の兄夫婦の娘で、昨年日本の高校を自主退学したが、高卒認定試験に合格したため、アメリカに留学した。
10月、逸佳と礼那が親に黙って旅に出る。
それは、「アメリカをもっと見る」ための、二人だけの旅だった。
二人はニューヨークのホテルに滞在後、バスで北東のニューイングランド地方を目指した……。

江國香織氏の本はこれが42冊目。
14歳と17歳の少女のロードムービー。
二人の旅と、残された二組の両親が交互に描かれていく。
少女2人でアメリカを旅するなんて途轍もなく無謀で危険だと思ったが、二人は実に楽しく旅を続けていく。
礼那が人懐こい性格のため、行く先々で友達ができる。
親しくなるたびに、別れが悲しくなるが、それでも人と出会うのはすばらしいことだと思えた。
江國氏の23歳の時の体験が元になっているらしい。
行動は突飛だが、2人の少女はこの上なく健康。
誰も彼もが狂気を描きたがる中、健康を描いた江國氏を高く評価する。
お薦めです。

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