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映画を早送りで観る人たち [本]

5月25日(水)
稲田豊史『映画を早送りで観る人たち』(光文社新書)読了。

映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書)

映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書)

  • 作者: 稲田 豊史
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2022/04/12
  • メディア: Kindle版


元・ギャガ、元・キネマ旬報社、現・ライターの稲田豊史が、映画を早送りで観る若者たちを切り口にして、1995年生まれ以降のいわゆる「Z世代」の感覚を分析・解説する。

今年一番の、衝撃の書だった。
Z世代の75パーセントが、映画を早送りしたり、10秒飛ばししながら見ている。
いや、そのこと自体に驚きはない。
早送りや10秒飛ばしは、僕もやっているから。
驚いたのは、稲田氏が取材した若者たちの発言。
〇「監督に興味はない。自分は映画の表側が好きで、裏側は別に知りたくない」
〇(早送りで観たら伏線を見逃したりするのでは?という疑問に対し)「普通の速さで見ても見逃すだろうから、別に気にしない」
〇「先にラストを見ておくと安心して見られる」
〇「ハズレをつかみたくないから、ネタバレサイトなどをチェックしてから見る」
〇「主人公が酷い目に遭うものは見たくない」
〇「サプライズはいらない。動揺したくない」
コスパ第一、タイパ第一。
主人公は無敵が鉄板。
この人たちを満足させる芝居は、どうやったら作れるのだろう?
久しぶりに絶望を感じた。
が、諦めずに考えようと思う。
タイトルはあくまでも入口で、現代の若者の感覚を深く掘り下げた、非常にためになる本。
お薦めです。

辻村深月シアター『ぼくのメジャースプーン』、本日初日でした。
原作者の辻村深月がいらして、たくさんの褒め言葉を頂戴しました。
うれしー!
妻も見に来て、主役の田中亨くんを褒めていました。
上演時間は1時間55分弱。
終演後、アフタートークがありました。
岡田達也が司会で、田野優花さん、田中亨くん、僕が出演。
5月18日~22日の5日間、すべての作業が停止しましたが、その間、岡田達也と田中亨くんは、自主練習をしていたそうです。
おかげで、初日とは思えない、すばらしい芝居になりました。
『ぼくのメジャースプーン』は残り2ステージです。
ぜひぜひご来場ください。
あ、でも、明日は『かがみの孤城』の初日です。
良かったら、そちらもぜひ!

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