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掌に眠る舞台 [本]

6月10日(土)
小川洋子『掌に眠る舞台』(集英社)読了。

掌に眠る舞台 (集英社文芸単行本)

掌に眠る舞台 (集英社文芸単行本)

  • 作者: 小川洋子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2022/09/05
  • メディア: Kindle版


「縫い子さん」は縫製工場に勤める女性。
ある日、向かいの金属加工工場の社長の奥さんから、娘さんの幼稚園の通園バックを作ってほしいと他頼まれる。
数年後、奥さんがバレエの招待券をくれ、娘と一緒に行ってほしいと頼まれる。
演目は『ラ・シルフィード』。
小学生に成長していた娘は、『ラ・シルフィード』に夢中になった。
翌日から、工場の前で、ペンチをバレリーナに見立てて、遊び始める。
さらに、妖精に手紙を書き始める‥‥。

小川洋子氏の短編8つを収録した短編集。
すべてが舞台に関わる小説。
登場する作品は、
『指紋ついた羽』→『ラ・シルフィード』
『ユニコーンを握らせる』→『ガラスの動物園』
『鍾乳洞の恋』→『オペラ座の怪人』
『ダブルフォルトの予言』→『レ・ミゼラブル』
『花柄さん』→商業演劇いろいろ
『装飾用の役者』→ナシ
『いけにえを運ぶ犬』→『春の祭典』
『無限ヤモリ』→鉄道のジオラマ
どれも奇抜な題材で、それを静かに緻密に描写していく。
まさに、小川洋子ワールド。
演劇畑の人間としてはうれしかったが、過去作と比べると平凡な出来。

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