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最後のトリック [本]

10月19日(金)
深水黎一郎『最後のトリック』(河出文庫)読了。

最後のトリック (河出文庫)

最後のトリック (河出文庫)

  • 作者: 深水 黎一郎
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2014/10/07
  • メディア: 文庫


ミステリ作家の「私」は近頃、行き詰まりを感じていた。
新聞小説の連載を始めたが、筆はなかなか進まない。
そんなある日、「香坂誠一」という人物から手紙が届く。
手紙によれば、香坂は「読者が犯人」となるミステリのアイディアを考えついた。
このアイディアがほしければ、2億円で買ってほしい。
そんな金を出すつもりはなかったが、アイディアは気になる……。

深水黎一郎氏の本は、『ミステリー・アリーナ』に続いて、2冊目。
「読者が犯人」なんてミステリが成立するわけがない。
そう思いながら読んでいたのに、最後にはしっかり、「読者が犯人」というミステリになっていて、顎が外れるほど驚いた。
これを傑作と言わずして、何と言う。
『ミステリー・アリーナ』と言い、『最後のトリック』と言い、この深水黎一郎という人はとんでもない天才なのではないか?
略歴によれば、深水氏は1963年、山形県生まれ。
慶応大学大学院文学研究科後期博士課程修了、ブルゴーニュ大学修士号取得、パリ大学DEA。
2007年、『ウルチモ・トルッコ』で第36回メフィスト賞を授賞してデビュー。
44歳でデビューして、現在55歳。
年が2つ違いのせいか、僕のストライクゾーンに限りなく近いのかもしれない。
他の本も読んでみよう。
お薦めです。

キャラメルボックス2018クリスマスツアー『リトル・ドラマー・ボーイ』の脚本第一稿、全12場中8場の途中まで書き上げました。
自宅缶詰もそろそろ限界。
目がショボショボして、背中も痛い。
しかし、何とか今書いている8場を仕上げてしまいたい。
僕が所属している日本演出者協会が主催するイベントに、「演劇大学」というのがあります。
毎年、全国のいろんな町で開催しているのですが、それに参加するため、11月に北海道函館市、12月に島根県出雲市に行くことになりました。
そこでワークショップを行います。
どちらも今まで行ったことのない町なので、とても楽しみ。
というふうに、素敵な未来に思いを馳せながら、頑張って続きを書きます。

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