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さらさら流る [本]

1月22日(火)
柚木麻子『さらさら流る』(双葉社)読了。

さらさら流る

さらさら流る

  • 作者: 柚木 麻子
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2017/08/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


東京。
井出菫は大学1年で、家族と京王線沿線に住んでいる。
大学では東京名所研究会に所属していて、今夜は渋谷でコンパ。
終了後、同じ1年の垂井光晴が、家まで送っていくと言った。
渋谷から京王線まで、暗渠を辿っていこうと。
渋谷は「谷」なので、二つの川が流れ込んでいるが、1964年の東京オリンピックの時、暗渠になったのだ。
菫は家に電話して、「男の子と歩いて帰る」と告げた……。

柚木麻子氏の本を読むのはこれが16冊目。
18歳の菫と、28歳の菫が交互に描かれていく。
18歳の菫は、光晴と付き合い始める。
28歳の菫は、大学時代に付き合っていた光晴が当時撮影したヌード写真がネットに流出して、苦しむ。
どちらの話もおもしろく、同時に二つの対照性が鮮やかで、見事な設定だと思った。
今は暗渠となっている「宇田川」は、代々木公園の西側を流れている。
「宇田川」は童謡『春の小川』のモデルになった川で、小田急線代々木八幡駅の北には、歌碑が立っている。
菫と光晴はその歌碑を見る。
『さらさら流る』のタイトルはここから来ている。
お薦めです。

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