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蒼海館の殺人 [本]

3月8日(金)
阿津川辰海『蒼海館の殺人』(講談社タイガ)読了。

蒼海館の殺人 〈館四重奏〉 (講談社タイガ)

蒼海館の殺人 〈館四重奏〉 (講談社タイガ)

  • 作者: 阿津川辰海
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/02/16
  • メディア: Kindle版


田所信哉は高校2年で、同級生で名探偵である葛城輝義の助手をしつつ、小説を書いている。
葛城は前作の事件で深く傷つき、田舎の実家に引き籠ってしまう。
田所は葛城に会うため、同級生の三谷緑朗と葛城の実家に向かう。
そこは葛城の祖父の惣太郎の家で、別名「青海館」。
惣太郎は一流企業の葛城物産の経営者だったが、8月に87歳で亡くなった。
田所たちが行った日、「青海館」には49日の法要のため、親族一同が集まっていた。
折しも台風が接近し、近くを流れる「曲川」は増水し始めていた‥‥。

阿津川辰海氏の本はこれが3冊目。
先日読んだ『紅蓮館の殺人』の続編。
前作は山火事が館に迫ったが、本作は川の増水。
小説としての出来は、本作の方が上だと思った。
これも多重解決で、名探偵・葛城は、一度立てた自分の推理を、証明直後に引っ繰り返す。
今はもう、多重でないと受けない、というところまで来てしまっているのかもしれない。
が、本作にはそれだけではない、感動がある。
お薦めです。
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