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エレジー [映画]

8月21日(水)
イザベル・コイシュ監督『エレジー』(2008年)netflixで鑑賞。

エレジー デラックス版 [DVD]

エレジー デラックス版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • メディア: DVD


デヴィッド・ケペシュ(ベン・キングズレー)は大学教授で、専門は文学。
60代の独身で、15年前から、別の町で会社経営をしているキャロライン(パトリシア・クラークソン)と、数週間に一度、ベッドをともにしている。
ある日、授業を受ける生徒の一人に一目惚れしてしまう。
それはキューバ移民の娘のコンスエラ・カスティーリョ(ペネロペ・クルス)。
30歳の年の差を越え、二人は恋人同士になるが……。

さすがは名優ベン・キングスレー。
若い娘に恋して、うろたえまくる大学教授を実に見事に演じている。
禿頭なのに、知的で、筋肉質で、若い男に負けないカッコよさ。
ペネロペ・クルスは撮影当時、30代前半だったが、キャロラインも、一度就職した後、大学に入学したという設定なので、問題なし。
老教授が夢中になるのも仕方ないと思えるほどの、絶世の美女ぶりだった。
美男美女の名優の共演、見て損はありません。

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星間商事株式会社社史編纂室 [本]

8月21日(水)
三浦しをん『星間商事株式会社社史編纂室』(ちくま文庫)読了。

星間商事株式会社社史編纂室 (ちくま文庫)

星間商事株式会社社史編纂室 (ちくま文庫)

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2014/03/12
  • メディア: 文庫


川田幸子は29歳独身、星間商事株式会社社史編纂室に勤務している。
趣味はBL同人誌の製作で、高校時代の友人と年に2冊作り、コミケで売っている。
恋人の溝内洋平と同棲中だが、彼は金が貯まると旅に出る風来坊で、結婚の話は全く出ていない。
編纂室のメンバーは、幸子を入れて6人。
誰もやる気がないので、仕事はなかなか進まない。
ところがある日、遅刻常習犯の本間課長が、同人誌を作ろうと言い出した……。

三浦しをん氏の本はこれが13冊目。
お仕事小説の名手が、今度は社史編纂室に目を付けた。
相変わらず、一人一人のキャラクター設定がうまい。
しかし、主人公たちが会社の秘密に気づき、それを暴く、というミステリーっぽいストーリーはイマイチで、前半大騒ぎするわりに、真相が現実離れしていて、肩すかしを味わった。
途中で、幸子が書くBL小説の一部や、本間課長が書く自伝小説の一部が出てくるのはおもしろい。
巻末の社会学研究者の金田淳子氏の解説によれば、三浦氏はBLに相当詳しいらしい。
本人は書かないようだが。

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イカとクジラ [映画]

8月20日(火)
ノア・バームバック監督『イカとクジラ』(2005年)netflixで鑑賞)

イカとクジラ コレクターズ・エディション [DVD]

イカとクジラ コレクターズ・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
  • メディア: DVD


1986年、ブルックリン、パークスロープ。
バーナード・バークマン(ジェフ・ダニエルズ)はスランプ中の純文学作家、その妻ジョーン(ローラ・リニー)は売り出し中の新進作家。
この夫婦が離婚することになり、16歳の長男ウォルト(ジェイス・アイゼンバーグ)と、12歳の次男のフランク(オーウェン・クライン)は、父と母の家を毎日行ったり来たりし始める。
バーナードはプライドが異常に高く、他人を「知性が低い」「俗物」と決めつける。
ジョーンは4年前から浮気を繰り返していた。
ウォルトは母の浮気を責めて、父についた。
フランクは思春期に入り、酒とオナニーに走った……。

離婚問題を題材にした映画は多いが、ここまで子供の気持ちを掘り下げたものは今まで見たことなかった。
それにしても、この両親のひどさはどうだ。
どちらも結局、自分のことしか考えていない。
アメリカの離婚率の高さは、個人の強烈な自己肯定、執拗な欲望追求が原因なのではないか?
日本もそうなりつつあるのか?
個人主義は結構だが、幸福は自分一人では掴み得ないことに気付くべきではないか?
よくできた映画だが、ひたすらイヤに気持ちになった。

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日本人だけが知らない世界から尊敬される日本人 [本]

8月20日(火)
ケント・ギルバート『日本人だけが知らない世界から尊敬される日本人』(ソフトバンク新書)読了。

日本人だけが知らない世界から尊敬される日本人 (SB新書)

日本人だけが知らない世界から尊敬される日本人 (SB新書)

  • 作者: ケント・ギルバート
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2018/01/06
  • メディア: 新書


国際弁護士でタレントのケント・ギルバートが、世界に多大な貢献をした日本人を紹介する。

取り上げられたのは、
1、盛田昭夫(ソニー社長)
2、安藤百福(日清食品創業者、カップヌードル発明者)
3、小林一三(東宝社長、宝塚歌劇団創立者)
4、高峰譲吉(化学者、タカジアスターゼ、アドレナリン発明者)
5、南方熊楠(博物学者、粘菌研究者)
6、屋井先蔵(乾電池発明者)
7、三並義忠(電気炊飯器発明者)
8、岡田良男(カッターナイフ発明者)
9、丹下健三(建築家)
10、榮久庵憲司(工業デザイナー)
11、川端康成(作家)
12、和田重次郎(冒険家、アラスカ開発者)
13、槇有恒(登山家)
14、新渡戸稲造(国際連盟事務次長、『武士道』作者)
15、杉原千畝(リトアニア領事館領事代理)
15人中6人は知らない人だったので、とてもタメになった。
芸術家が少なく、女性が全く入っていないのがちょっと気になった。
黒澤明や小沢征爾はよく知られているから入れなかったのかもしれない。
新渡戸稲造の功績を改めて知り、その国際的知名度の高さに感服した。
お札になるだけのことはある。
お薦めです。

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パイレーツ・ロック [映画]

8月19日(月)
リチャード・カーティス監督『パイレーツ・ロック』(2009年)他4本鑑賞。

パイレーツ・ロック [Blu-ray]

パイレーツ・ロック [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • メディア: Blu-ray



ラブストーリー [DVD]

ラブストーリー [DVD]

  • 出版社/メーカー: レントラックジャパン
  • メディア: DVD



オーソン・ウェルズINストレンジャー - The Stranger -

オーソン・ウェルズINストレンジャー - The Stranger -

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2008/10/25
  • メディア: DVD



シーズ・ガッタ・ハブ・イット [Laser Disc]

シーズ・ガッタ・ハブ・イット [Laser Disc]

  • 出版社/メーカー: メディアリング
  • メディア: Laser Disc



あやしい彼女 [Blu-ray]

あやしい彼女 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: Blu-ray


リチャード・カーティス監督『パイレーツ・ロック』(2009年)netflixで鑑賞。
1960年代、イギリスの人口の半分は聴いていたという船の海賊ラジオ局の物語。ビル・ナイ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ケネス・ブラナーらが出演。甘くてユルイ男のお伽話。

クァク・ジェヨン監督『ラブストーリー』(2003年)GEOのレンタルDVDで鑑賞。
ちょっと昔の高校生の男女の純愛。「泣ける」と評判だったが、全く泣けなかった。

オーソン・ウェルズ監督『オーソン・ウェルズINストレンジャー』(1946年)netflixで鑑賞。
オーソン・ウェルズ演じる元ナチス幹部を、エドワード・G・ロビンソン演じる戦犯聴聞会委員長が追いかけるスリラー。話はイマイチだが、『第三の男』のように影を利用した演出はやっぱりすばらしい。

スパイク・リー監督『シーズ・ガッタ・ハブ・イット』(1987年)netflixで鑑賞。
この監督の第二作で、黒人しか出演しないモノクロ映画。1シーンだけカラーになったのには驚いた。

水田伸生監督『あやしい彼女』(2016年)netflixで鑑賞。
韓国映画の『怪しい彼女』のリメイク。感動作にしようとしすぎて、原作に遠く及ばないものになってしまった。残念。

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ウルトラマンになった男 [本]

8月19日(月)
古谷敏『ウルトラマンになった男』(小学館)読了。

ウルトラマンになった男

ウルトラマンになった男

  • 作者: 古谷 敏
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/12/21
  • メディア: 単行本


1966年に「初代ウルトラマン」を演じた古谷敏が、当時の様子を振り返る。

古谷敏(さとし)氏は1943年、東京都港区麻布笄(こうがい)町生まれ。
父親は建具職人で、7人兄弟の5男。
1961年、中学を卒業して、東宝に最後のニューフェイスとして入社。
1962年、『吼えろ脱獄囚』でデビュー。
その後は大部屋暮らしだったが、1965年、テレビの子ども向け特撮ドラチ『ウルトラQ』で「ケムール人」役を演じる。
その演技と長身細身のスタイルのよさが買われ、アクション俳優でないにもかかわらず、「ウルトラマン」役に抜擢される。
しかし、依頼を受けた当初は頑なに断っていたらしい。
スーツアクターは顔が出せないし、何よりスーツを着た状態で演じるのは非常に苦しい。
結局引き受け、「ウルトラマン」のスーツは古谷氏の体に合わせて作られたが、苦しさは変わらず。
撮影初期の頃は何度も嘔吐していたらしい。
この演技が評価され、1967年には『ウルトラセブン』にウルトラ警備隊の「アマギ隊員」役で出演。
しかし、『セブン』撮影終了後、俳優を廃業し、イベント会社を設立。
2007年、「ウルトラマンを演じた男」として、40年ぶりに芸能界に復帰。
若い頃は東宝の先輩の宝田明と、ジェームス・ディーンを目指していたらしい。
スペシュウム光線のポーズは毎晩家で300回練習したらしい。
当時の撮影所の様子がイキイキと描かれていて、とても楽しい本だった。
お薦めです。

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アーサー・クリスマスの大冒険 [映画]

8月18日(日)
バリー・クック+サラ・スミス監督『アーサー・クリスマスの大冒険』(2011年)GEOのレンタルDVDで鑑賞。

アーサー・クリスマスの大冒険 [Blu-ray]

アーサー・クリスマスの大冒険 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: Blu-ray


クリスマス・イブ、北極。
氷の下のサンタのハイテク基地では、サンタの長男スティーヴ(声/ヒュー・ローリー)が100万人の妖精たちを指揮して、世界中の20億の子供たちにプレゼントを配達する準備をしていた。
やがて、サンタ(ジム・ブロードベント)と妖精たちを乗せた巨大戦艦が出発。
一方、次男のアーサー(ジェームズ・マカヴォイ)は子供たちから届いたサンタ宛の手紙に返事を書いていた。
ドジなアーサーは、配達の仕事には一切かかわることができない。
やがてサンタ一行は20億の配達を終わり、無事帰還。
ところが、基地には紙に包まれた自転車が一台、残っていた!
サンタとスティーヴは、今日の仕事は終わり、自転車は宅配で送ると言う。
「それでは自転車をもらうはずだった子が、明日の朝、悲しむ!」
アーサーは、引退した祖父のおじいサンタ(ビル・ナイ)の助けを借りて、昔ながらのトナカイの橇に乗って、イギリスへ向かった!

ソニー・ピクチャーズのフルCGアニメ。
おじいサンタは138歳で、イギリスを目指したのに、アフリカに着いてしまう。
というふうに、中盤以降、アーサーたちは世界をさまよう。
まさに「大冒険」で、ハラハラドキドキの連続。
絵も話もしっかりしていて、楽しむことができた。
ジェームズ・マカヴォイもビル・ナイもオーバーな演技を堂々とやっている。
あまり有名な映画ではないが、掘り出し物と言っていいのでは?
お薦めです。

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まほろ駅前番外地 [本]

8月18日(日)
三浦しをん『まほろ駅前番外地』(文藝春秋)読了。

まほろ駅前番外地 (文春文庫)

まほろ駅前番外地 (文春文庫)

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/10/10
  • メディア: 文庫


東京都まほろ市。
多田啓介はまほろ駅前で「多田便利軒」という便利屋を営んでいる。
元々は一人でやっていたが、今は居候で、高校時代の同級生の行天(ぎょうてん)春彦が手伝っている。
店には、近所で娼婦をしている二人の女性、ルルとハイシーがよく遊びに来る。
ある日、宮本由香里と名乗る女性が仕事の依頼にやってくる。
彼女は左手の薬指に4,5カラットのダイヤの指輪していた。
中学の同級生の武内小夜と買いに行ったと言う。
ところが、数日後、小夜の左手の薬指に全く同じデザインの、0,75カラットのダイヤの指輪が嵌まっていた。
明日のパーティーに、小夜がその指輪をしてくるのを阻止してほしい……。

三浦しをん氏の直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』の続編。
7つの短編からなる連作短編集で、上記は一つ目の『光る石』。
1つ目・6つ目・7つ目は多田が主人公だが、それ以外の4つは、多田便利軒の周囲の人々が主人公。
様々な視点で、このシリーズをより細かく、より深く描いていく。
とは言え、このシリーズの魅力は、奇妙奇天烈な言動を繰り返す、行天という男。
この本でも魅力全開で、特に五つ目の『由良公は運が悪い』がおもしろかった。
1作目も、この2作目も映画化されていて、「多田」は瑛太、「行天」は松田龍平が演じている。
僕は1作目しか見ていないが、僕の頭の中の「行天」は明らかに松田龍平の顔をしている。
それほど「行天」に合っているということだ。

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スヌーピーの大冒険 [映画]

8月17日(土)
ビル・メレンデス監督『スヌーピーの大冒険』(1972年)DVDで鑑賞。

スヌーピーの大冒険 [DVD]

スヌーピーの大冒険 [DVD]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • メディア: DVD


スヌーピーはビーグル犬で、小学生のチャーリー・ブラウンの飼い犬。
最近、どこへ行っても、「犬、お断り」の貼り紙・立て札があり、頭に来ている。
ある日、一通の手紙が届く。
そこには、「スヌーピーちゃん、私は3週間も独りぼっちで病院にいます。寂しいから会いに来て。ライラ」と書いてあった。
スヌーピーは即座に友人の小鳥ウッドストックと出発する……。

テレビ映画の2作目で、原作・脚本は漫画『ピーナツ』の原作者チャールズ・M・シュルツ。
僕はコミックスを100冊以上集めた、『ピーナツ』のマニアだが、アニメはあまり見ていない。
いろいろ不満があったからだ。
①スヌーピーがしゃべらない。原作はスヌーピーの心中独白がよかったのに。
②『ピーナツ』は4コマ漫画だからこそおもしろい。長くしたらつまらなくなる。
③日本語の吹き替えのイメージが合ってない。私見だが、谷啓さんとうつみ宮土理さんは全然合ってないと思う。
この映画は英語版を見たので、③は問題ナシ。
しかし、①②の欠点はそのままで、やはり不満が残った。
シュルツ氏は、詩情とユーモアの天才だが、ストーリーを作る力が全くない。
だから、長くするなら、他の人が脚本を書くべきなのだ(それでも、おもしろくするのは難しいと思うが)。
とは言え、このアニメの絵はほとんど原作のままなので、あの絵が動くというただそれだけで、結構感動してしまった。
原題は『SNOOPY,C0me Home』。
確かに病院へ行って帰ってくるだけなんで、全然「大冒険」じゃない。

今日は西葛西の東京放送芸術&映画俳優専門学校へ行き、2年生の中間公演『シラノ・ド・ベルジュラック』を見てきました。
僕もシラノは以前、キャラメルボックスで上演しましたが、古くて長くて難しかった。
2年生たちはよく頑張って、ちゃんとした芝居に仕上げていました。
偉いぞ、2年生!

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もっと知りたい熊谷守一 [本]

8月17日(土)
池田良平+蔵屋美香『もっと知りたい熊谷守一』(東京美術)読了。

もっと知りたい熊谷守一 ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたい熊谷守一 ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

  • 作者: 池田 良平
  • 出版社/メーカー: 東京美術
  • 発売日: 2017/12/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


天童市美術館館長の池田良平と、東京国立近代美術館企画課長の蔵屋美香が、明治・大正・昭和と活躍した画家・熊谷守一の生涯と作品を解説する。

熊谷守一(くまがいもりかず)は1880年、岐阜県生まれ。
父親は地主で、製糸工場を経営し、後に衆議院議員になった。
1898年、共立美術学館で日本画の基礎を学ぶ。
1900年、東京美術学校西洋画科選科に入学し、黒田清輝からの指導を受ける。同級に青木繁がいて、友人となる。
1904年、西洋画科選科を首席で卒業し、西洋画科研究科に進む。
1908年、文展に入選。
1916年、二科展に出品、二科会員となる。
1929年、二科技塾の講師となる。
1935年、雑誌「中央美術」で初めて特集が組まれる。
1953年、「モリカズ様式」が確立する。
1967年、文化勲章の内示を受けるが、辞退。
1977年、97歳で死去。
僕にはこの人の絵の良さは全くわからないが、60歳を過ぎてから画風を変え、73歳でそれを完成させたというのは、とても凄いことだと思う。
57歳の僕に同じことができるだろうか?

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