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マンガ熱 [本]

1月31日(金)
斎藤宣彦『マンガ熱』(筑摩書房)読了。

マンガ熱: マンガ家の現場ではなにが起こっているのか (単行本)

マンガ熱: マンガ家の現場ではなにが起こっているのか (単行本)

  • 作者: 宣彦, 斎藤
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2020/01/31
  • メディア: 単行本


元マンガ雑誌編集者で、マンガ研究家・詩人の斎藤宣彦による、マンガ家へのインタビュー集。

インタビューを受けたマンガ家は、
〇島本和彦
〇ちばてつや
〇藤田和日郎
〇くらもちふさこ
〇諸星大二郎
〇大友克洋
〇岩明均
などなど。
大好きなマンガ家さんばかりなので、とてもおもしろかった。
でも、若い人たちにとってはどうなのかな?

昨日、アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』『おおきく振りかぶって/秋の大会編』の稽古に、原作者のひぐちアサさんが見学にいらっしゃいました。
5時間近く見学なさって、貴重なアドバイスをたくさんしてくださいました。
休憩時間におしゃべりしていて、小林まことさんの話になりました。
僕にとって、ベストワンのマンガ家は、『1、2の三四郎』『柔道部物語』の小林まことさんなのです。
すると、ひぐちさんも大ファンだと判明。
おかげで話が盛り上がりました。
小林さんのファンのひぐちさんが描いたから、『おおきく振りかぶって』はおもしろいのだ!
今頃になって、やっと気づきました。
とてもうれしかったです。

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悪女 [映画]

1月31日(金)
チョン・ピョンギル監督『悪女』(2017年)GEOのレンタルDVDで鑑賞。

悪女/AKUJO [Blu-ray]

悪女/AKUJO [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2018/06/22
  • メディア: Blu-ray


少女スクヒは父親を殺され、中国朝鮮族マフィアの若頭ジュンサンに拾われ、殺し屋として育てられた。
成長したスクヒ(キム・オクビン)はジュンサン(シン・ハギュン)と結婚するが、彼は敵対するソウルの組織に惨殺される。
怒りに燃えスクヒは敵のアジノに乗り込み、50人近くを皆殺しにしてしまう。
逮捕されたスクヒは、国家が運営する暗殺者養成機関に送られる。
その時、スクヒの腹の中には、ジュンサンの子どもがいた……。

韓国映画は71本目。
冒頭、敵のアジト乗り込んだスクヒの主観で、ワンカットで撮影されたシーンに度肝を抜かれた。
7分間で、50人近く殺している。
まるでゲームのようだが、こんな映像は初めて。
しかし、この映画が『ニキータ』+『キル・ビル』なのは明らかで、話はしっかりしているが、毎度のことながら殺しすぎ。
マンガでいいのだ、ゲームでいいのだ、と言うことであれば、別に文句はないが。

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カムパネルラ [本]

1月30日(木)
山田正紀『カムパネルラ』(創元SF文庫)読了。

カムパネルラ (創元SF文庫)

カムパネルラ (創元SF文庫)

  • 作者: 山田 正紀
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2020/01/30
  • メディア: 文庫


「メディア管理庁」によって、極右的な言論統制が敷かれている日本。
「ぼく」は16歳の高校生。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の研究者であった母が亡くなり、遺言に従って、遺骨を花巻の豊沢川で流すため、東北新幹線に乗る。
が、なぜか骨壺を電車内に置き忘れてしまう。
そして、気付いた時には、昭和8年9月19日の花巻にいた。
それは、宮沢賢治が亡くなる2日前だった……。

宮沢賢治と『銀河鉄道の夜』についてよく調べているのはわかったが、小説としてはあまりにも荒唐無稽で、ミステリーとしてもSFとしても全く楽しめなかった。
山田正紀氏は「世界がぜんたい幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない」という賢治の言葉を、全体主義に利用されかねない危険な言葉と断定する。
そして、『銀河鉄道の夜』の第三次稿を否定する。
僕はその考えには賛同しかねる。
つまり、小説としての出来だけでなく、根本的な考え方も納得できない。
宮沢賢治ファンの多くも、僕と同様なのではないかと思う。
ゆえに、この本は、賢治ファンにはお薦めできない。
腹が立つだけだと思う。

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僕の彼女を紹介します [映画]

1月30日(木)
クァク・ジェヨン監督『僕の彼女を紹介します』GEOのレンタルDVDで鑑賞。

僕の彼女を紹介します 通常版 [DVD]

僕の彼女を紹介します 通常版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD


女子高教師のミョンウ(チャン・ヒョク)は、かっぱらいを追跡中、婦人警官のギョンジン(チョン・ジヒョン)に誤認逮捕されてしまう。
ギョンジンは間違いだとわかっても、誤ろうとしなかった。
そして、なぜか二人は付き合い始める。
ある日、ギャンジンはミョンウが授業をしている最中に教室に、手作りの弁当を持ってくる。
そして、女生徒たちに「手を出すな」と言った……。

韓国映画は70本目。
『猟奇的な彼女』の監督と主演女優のコンビによる第二弾だが、驚くほどひどい出来。
『猟奇的な彼女』で当たった、サディスティックなヒロイン像を、今度は婦人警官で、というコンセプトなのだが、ヒロインの仕事ぶりがムチャクチャで、著しく現実感を壊している。
そして、後半はほとんど『ゴースト/ニューヨークの幻』の真似。
チョン・ジヒョンという女優が魅力的なだけに、非常に残念だった。

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ハナ [映画]

1月29日(水)
ムン・ヒョンソン監督『ハナ』(2012年)GEOのレンタルDVDで鑑賞。

ハナ 奇跡の46日間 [DVD]

ハナ 奇跡の46日間 [DVD]

  • 出版社/メーカー: オデッサ・エンタテインメント
  • メディア: DVD


ヒョン・ジョンファ(ハ・ジウォン)は卓球の韓国代表として、国際大会に出場。
北朝鮮代表のリ・プニ(ペ・ドゥナ)に勝つが、中国代表に敗れ、銀メダルに終わる。
第41回世界卓球選手権大会で、南北統一チームが結成されることになり、北朝鮮の選手たちとの合同練習が始まる。
が、あまりにも価値観が違いすぎ、会話さえままならない。
そんな中、ジョンファはプニとペアを組むことになり……。

韓国映画は69本目。
実話に基づいた映画。
きわめてオーソドックスな友情もので、すべてが予想通りに展開していくが、演出も演技も的確・堅実なため、なかなか楽しめた。
主演のハ・ジウォンが美しく、ペ・ドゥナが巧い。
ラストの別れのシーンで、ジョン・ファは突然プニを「お姉さん!」と呼ぶ。
日本人の僕はこれに強い違和感を感じる。
韓国映画ではしばしば、親しくなった二人の年下の方が、相方を「兄さん」「姉さん」と呼び始める。
日本でも任侠の世界に義兄弟というのがあるが、そういう感じなのだろう。
家族と同じほどの絆、ということだ。
日本人はもしそのように感じても、照れ臭くて「兄さん」とは呼べない。
それで、『ハナ』のラストでも一気に冷めてしまった。
が、これは国民性の違いなので、否定する気は全くない。
『ハナ』という映画のすばらしさは少しも損なわれていない。



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聖書の名画を楽しく読む [本]

1月28日(火)
井出洋一郎『聖書の名画を楽しく読む』(中経出版)読了。

カラー版 聖書の名画を楽しく読む

カラー版 聖書の名画を楽しく読む

  • 作者: 井出 洋一郎
  • 出版社/メーカー: 中経出版
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 単行本


東京純心大学教授の井出洋一郎が、聖書をテーマにした世界の名画を解説する。

聖書のエピソードごとに、エピソードを解説しながら、それをテーマにして描かれた世界の名画を紹介する。
聖書のついての知識が断片的なので、とてもタメになった。
画家の創作意欲をそそるエピソードと、そうでないエピソードがある、というのはよくわかる。
画家に人気があるのは、
〇楽園追放
〇受胎告知
〇聖母子像
〇最後の晩餐
〇ユーディットとサロメ
などなど。
レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロ・ブオナローティがいかに定型を外していったかもよくわかった。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』『おおきく振りかぶって/秋の大会編』ダブルヘッダー特別公演のキャスト紹介は22人全員終わりましたが、勢いに乗ってアンダースタディの2人も紹介します。
1人目は、キャラメルボックスの矢野聖。
1995年12月8日生まれの24歳。
キャラメルボックス俳優教室の14期生で、2015年にキャラメルボックスに入団。
『おおきく振りかぶって』シリーズでは、1本目でアンダースタディとして参加、2本目で「美丞大狭山高校の和田誠」役で出演。
つまり、3作すべてにかかわっています。
まさに縁の下の力持ち!
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2人目は、菅野義夫。
1997年2月3日生まれの21歳。
キャラメルボックス俳優教室16期生で、卒業公演の『ミスター・ムーンライト』では主役の「鹿島」役を演じました。
『おおきく振りかぶって』シリーズには初参加。
様々な役の代役をしたことは、非常によい経験になったと思います。
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ザ・ドア [映画]

1月28日(火)
アノ・ソウル監督『ザ・ドア』(2009年)GYAOで鑑賞。

ザ・ドア ~交差する世界~ [DVD]

ザ・ドア ~交差する世界~ [DVD]

  • 出版社/メーカー: アメイジングD.C.
  • メディア: DVD


ドイツ。
有名画家のダヴィッド(マッツ・ミケルセン)は、妻マヤ(ジェシカ・シュヴァルツ)の留守中に、隣家に住む愛人のジア(ハイケ・マカチュ)と密会。
帰宅後、1人娘のレオニー(ヴァレリア・アイゼンバルト)が自宅の庭のプールで溺死しているのを発見する。
5年後、マヤに去られ、自暴自棄になったダヴィッドは入水自殺しようとするが、友人のマックス(ティム・ザイフィ)に救助される。
酔ったダヴィッドは中空を舞う蝶を追いかけて、近所のトンネルに入っていく。
ドアを開けたその先は、5年前の、レオニーが亡くなった日だった……。

タイム・トラベルものに見せかけて実は、という映画。
アイディアはよいが、後半の展開がやりすぎで、完成度は高くない。
主演のマッツ・ミケルセンは、1965年、デンマーク・コペンハーゲン生まれで、「北欧の至宝」と呼ばれている俳優。
僕が初めて見たのは、2006年の『007/カジノ・ロワイヤル』で演じた悪役のル・シッフルで、もうメチャクチャ怖かった。
僕は未見だが、2012年に『偽りなき者』に主演して、第65回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞。
俳優になる前は体操選手、プロのダンサーとして活躍。
22歳の時に結婚し、子どもは2人。
デンマーク語・英語・ドイツ語・スウェーデン語が堪能で、スポーツ全般が得意。
とまあ、非の打ち所がないスター。
第一印象のせいで、いまだにちょっと怖いが、ファンです。
『偽りなき者』、見なくちゃ。


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世界はゴ冗談 [本]

1月27日(月)
筒井康隆『世界はゴ冗談』(新潮社)読了。

世界はゴ冗談

世界はゴ冗談

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/04/28
  • メディア: 単行本


筒井康隆の短編小説9、エッセイ1を収録した短編集。

2015年に出版された単行本で、これも未読だった。
『三字熟語の奇』は、三字熟語が18ページにわたって羅列されているだけの小説。
筒井先生は相変わらず無茶ことをなさる。
発想の奇抜さはやはりすばらしい。
一転して、エッセイは『ウクライナ幻想』というタイトルの真面目なもので、1972年にキエフに行った時のことが描かれる。
その時の体験がもとになって、『イリヤ・ムロウメツ』という小説は書かれたらしい。
これは未読だったので、いずれ読んでみたいと思う。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』『おおきく振りかぶって/秋の大会編』ダブルヘッダー特別公演のキャスト紹介の11回目。
21人目は、「織田裕行」役の鶏冠井孝介くん。
鶏冠井は「かいで」と読む、珍しい名字。
1986年10月28日、神奈川県生まれの33歳。
2018年5月より、『信長の野望・大志』シリーズで主役の「織田信長」役を演じ続けている。
「織田」役は、初演に続いて2回目。
年寄りの僕にも気軽に話しかけてくれる、好人物です。
織田.jpg
22人目は、「畠篤史」役の吉田英成くん。
1991年8月28日、東京都生まれの28歳。
2013年、劇団イノセントスフィア(InnocentSphere)に入団。
「畠」役は、初演に続いて2回目。
毎日1時間前に稽古場に来て、一人で稽古している努力家です。
畠.jpg
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抱擁 [映画]

1月27日(月)
ニール・ラビュート監督『抱擁』(2002年)GYAOで鑑賞。

抱擁 [DVD]

抱擁 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • メディア: DVD


ロンドン。
ローランド・ミッチェル(アーロン・エッカート)は 19世紀の桂冠詩人ランドルフ・ヘンリー・アッシュ(ジェレミー・ノーサム)を研究するため、アメリカからやってきた。
ある日、アッシュの蔵書の中に古い手紙が挟まれているのを発見する。
それは愛妻家で知られるアッシュが、詩人でレズビアンのクリスタベル・ラモット(ジェニファー・イーリー)に宛てたラブレターだと確信する。
そこで彼はラモットの研究家のモード・ベイリー(グウィネス・パルトロウ)に協力を仰ぐ。
彼女はラモットの子孫だった……。

意外な掘り出し物。
ブッカー賞を受賞したA・S・バイアットの小説の映画化。
DVDのジャケットが煽情的なイメージになっているが、中身はきわめて真面目な映画。
ローランドとモードが調査して判明した事実が、劇中劇として同時並行で描かれていくのだが、むしろそちらの方がロマンに溢れたドラマですばらしい。
ローランドとモードのラブストーリーにおもしろみがないのが痛い。
しかし、この頃のグウィネス・パルトロウは美しく、アーロン・エッカートもカッコいい。
文学サスペンスとして、非常に楽しめた。
お薦めです。

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繁栄の昭和 [本]

1月26日(日)
筒井康隆『繁栄の昭和』(文藝春秋)読了。

繁栄の昭和 (文春文庫)

繁栄の昭和 (文春文庫)

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/08/04
  • メディア: 文庫


短編小説9、コント2、エッセイ1を収録した短編集。

筒井康隆氏の本は何冊読んだかわからない。
中学時代に読み始めて以来45年間、ほとんどの著作を読んできた。
この『繁栄の昭和』は2014年に単行本として出版されたが、6年も見過ごしていた。
相変わらずの好き放題で、SFもあれば、コントもあるという乱雑ぶり。
が、演劇を題材とした『リア王』は、非常にまじめに書かれていて、楽しめた。
『科学探偵帆村』にもビックリさせられた。
これだから、読むのをやめられないのだ。

今日は西葛西の東京放送芸術&映画俳優専門学校へ行き、2年生の進級公演『島原こったい物語』を見てきました。
北篠秀司氏の『太夫さん』を、2年の担任の千葉有卯助さんが潤色・演出した作品。
昭和20年代の京都・島原の芸者置屋が舞台。
出演者全員が京都弁でしゃべっていました。
しかも、ほとんど全員が和服。
演技以前にやらなければいけないことが山ほどあって、おそらくミュージカル並みに大変だったと思います。
ですので、まずよくやり遂げたと褒めたい。
演技も、中間公演の『シラノ・ド・ベルジュラック』より遥かに進歩していました。
今年秋のスペシャル公演は、この2年生が主体となる。
俄然、楽しみになってきました。

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