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紙つなげ!彼らが本の紙を造っている [本]

2月29日(土)
佐々涼子『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている』(ハヤカワ文庫)読了。

紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場 (ハヤカワ文庫NF)

紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場 (ハヤカワ文庫NF)

  • 作者: 佐々 涼子
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2020/03/05
  • メディア: Kindle版


ノンフィクションライターの佐々涼子が、2011年3月11日の東北大震災で津波に飲み込まれた日本製紙石巻工場の復興を徹底取材して報告する。

前半は石巻工場の震災時の状況が、社員の証言によって、生々しく再現される。
その悲惨さに激しく胸が痛む。
だからこそ、後半の奇跡的な復興が強い感動を呼び起こす。
石巻工場の人々の「日本の本は俺たちが支えているんだ」という使命感、責任感の強さは誠に凄まじい。
ベストセラーになったのも納得。
日本人必読の書。
お薦めです。

今日から銀座九劇のワークショップが始まりました。
12時から初級講座が4時間、17時から中級講座が4時間。
受講者の皆さんの前のめりの姿勢に励まされて、何とかやり遂げました。
しかし、全部で8日間、残り7日間で、明日もある!
58歳の初老の体に鞭打って、頑張ります!

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キングダム [映画]

2月29日(土)
佐藤信介監督『キングダム』(2019年)WOWOWで鑑賞。

キングダム ブルーレイ&DVDセット(通常版) [Blu-ray]

キングダム ブルーレイ&DVDセット(通常版) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2019/11/06
  • メディア: Blu-ray


紀元前245年、春秋戦国時代、中華・西方の国「秦」。
戦災孤児の少年・信は、奴隷として売られていった家で、同じ奴隷の漂と出会う。
2人はいつか天下の大将軍になることを夢見て、秘かに剣術の修行を開始する。
数年後、青年に成長した信(山崎賢人)と漂(吉沢亮)の前に、国王の側近の文官・昌文君(高嶋政宏)が現れ、漂を連れて去る。
残された信は一人で修行を続けていたが、ある夜、漂が瀕死の状態で帰ってくる……。

累計発行部数3600万部を超えた原泰久の中華歴史漫画「キングダム」の実写映画化。
戦災孤児で大将軍を目指す信と、後に中国を統一して秦の始皇帝となった「えいせい」を描いたマンガ。らしい。
僕は原作は未読。
一応、中国史は踏まえているが、テイストはまるで劇団新感線。
歴史劇ではなく、伝奇浪漫で冒険活劇。
「うわー、新感線!」と思いながら見ていたら、橋本じゅんさんが出てきて、主人公と殺陣を始めたので、うれしくなった。
話がしっかりしているで、なかなか楽しめた。
橋本環奈がキュートだった。

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ロマンス小説の七日間 [本]

2月28日(金)
三浦しをん『ロマンス小説の七日間』(角川文庫)

ロマンス小説の七日間 (角川文庫)

ロマンス小説の七日間 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2003/11/22
  • メディア: 文庫


あかりは28歳の翻訳家で、海外ロマンス小説を主に訳している。
ボーイフレンドの神名とはもう5年の付き合いで、半同棲状態。
今訳しているのは中世のイギリスを舞台にしたもので、ヒロインのアリエノールは田舎の女領主。
兄を亡くして領主の座を継いだが、独身だったため、国王から結婚の命令が来た。
相手は騎士のウォリック。
アリエノールは気が進まなかったが、城にやってきたのは強くてハンサムな男だった……。

2000年にデビューした三浦しをん氏が、2002年に書いた小説。
恋愛小説を、というオーダーに応えて書いたのが、ロマンス小説を翻訳中の女性の恋愛。
ドラマティックな中世イギリスの恋愛と、ダラダラした現代の東京の若者の恋愛が同時並行で描かれる。
しかも、ヒロインは現実のイライラから、翻訳中の小説のストーリーを捻じ曲げていく。
僕も昔似たようなことを『スケッチブック・ボイジャー』という作品でやった。
ゆえに親近感が生じたのか、なかなか楽しめた。

いよいよ本日午前零時から、成井硝子店・第一回公演『ゲキジョ!』の前売り開始です。
すぐに売り切れることはないと思いますが、ご来場をご希望の方はなるべく早めにご予約ください。
お待ちしています!


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悪魔を見た [映画]

2月28日(金)
キム・ジウン監督『悪魔を見た』(2010年)GEOのレンタルDVDで鑑賞。

悪魔を見た プレミアム・エディション (2枚組) [Blu-ray]

悪魔を見た プレミアム・エディション (2枚組) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • 発売日: 2011/08/02
  • メディア: Blu-ray


スヒョン(イ・ビョンホン)は国家情報院の捜査官で、重犯罪課の刑事チャンの娘・ジュヨン(オ・サナ)と1か月前に婚約。
雪の夜、ジュヨンの車がパンクし、立ち往生していたところへ、進学塾のスクールバスの運転手・ギョンチョル(チェ・ミンシク)が通りかかる。
ギョンチョルはサイコで、ジュヨンをさらい、惨殺する。
スヒョンは休暇を取って、犯人探しを開始する……。

韓国映画はこれが75本目。
これぞまさに韓国映画と言った感じで、アメリカ映画をはるかに凌ぐ残虐ぶり。
この犯人、あまりにも無造作に人を殺しすぎ。
後半は主人公と犯人の闘いになるのだが、もはやついていけなかった。
チェ・ミンシクが演じた犯人、映画史上最悪の犯人ではないかと思うほど、イヤなヤツだった。
こんな役、よく引き受けたものだと思う。
イ・ビョンホンは相変わらずカッコよかったが。

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愛と狂瀾のメリークリスマス [本]

2月27日(木)
堀井憲一郎『愛と狂瀾のメリークリスマス』(講談社現代新書)読了。

愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか (講談社現代新書)

愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか (講談社現代新書)

  • 作者: 堀井 憲一郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/10/18
  • メディア: 新書


コラムニストの堀井憲一郎が、日本におけるクリスマスの受容と発展を解説する。

日本における最初のクリスマスのお祝いは16世紀。
イエズス会の宣教師たちが開いた教会で、ミサと聖誕劇が行なわれた、と記録にある。
秀吉・家康のキリスト教禁止及び鎖国によって、途絶。
しかし、明治維新、横浜などの居留地で、復活する。
そして、日露戦争の後、大衆化。
昭和初期には大変な賑わいになった。
ただし、これは繁華街のバーやキャバレーで大人たちが騒ぐもので、今のクリスマスの雰囲気とは全く違う。
日米開戦によりまたしても途絶するが、昭和23年頃にはすぐに復活。
昭和33年、高度経済成長が始まるあたりでようやく鎮静化する。
クリスマスは繁華街から家庭に収束する。
ところが、1980年代に入ってから、若者のトレンドとして三度復活する。
で、現在はまたまた鎮静化し、ハロウィンにその地位を奪われつつある。
というふうに、日本のクリスマスにも紆余曲折があったのだ。
「キリスト教のお祝いをなぜ日本人が?」という疑問は、明治時代からあった。
が、そもそもキリスト教会がクリスマスのお祝いを始めた時から、これはヨーロッパにそれ以前からあった冬至のお祝いの剽窃だと言われていたのだ。
なぜなら、イエスの誕生日が12月25日だという証拠はどこにもなく、キリスト教会が勝手に決めたものだったから。
大体、キリスト教にとって重要なのは降誕祭でなく、復活祭なのだ。
堀井氏は、もともと12月25日がイエスの誕生日だという根拠はないのだから、今の日本人がキリスト教を無視してお祝いするのは全く問題ないと主張する。
なるほどねえ。
「日本クリスマス史」とも言える本で、大変勉強になった。
お薦めです。

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バンブルビー [映画]

2月27日(木)
トラヴィス・ナイト監督『バンブルビー』(2018年)WOWOWで鑑賞。

バンブルビー [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

バンブルビー [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: パラマウント
  • 発売日: 2020/02/27
  • メディア: Blu-ray


惑星サイバトロン。
オートボットはディセプティコンの攻撃を受けて、壊滅寸前。
オートボットのオプティマスプライムは、B-127に地球へ行き、仲間が来るまで待てと命じる。
B-127はアメリカ軍が訓練中の森に不時着。
追ってきたディセプティコンのブリッツウィングに襲われ、音声機能を破壊されるが、辛くも反撃に成功。
川辺のキャンプ場まで逃げ、停車中の黄色いフォルクスワーゲン・ビートルをスキャンして、活動停止する。
数年後。
高校生のチャーリー(ヘイリー・スタインフェルド)は母・義父・弟と4人暮らし。
父が残した車を修理するため、近所のボート修理工場へ行き、そこでビートルを発見する。
数日後の18歳の誕生日、工場主にねだって、ビートルをもらう。
自宅のガレージに入れたところで、ビートルが突如変形し、ロボットになった!
チャーリーはそのロボットに「バンブルビー(マルハナバチ)」という名前を付けた……。

『トランスフォーマー』シリーズの登場人物であるバンブルビーを主人公にしたスピンオフ作品。
評判が良いので見てみたが、完全にファミリー向けで、しかも『トランスフォーマー』シリーズの設定に馴染んでいないと、些か荒唐無稽に感じられる。
僕には受け入れがたかった。
残念。


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きみが住む星 [本]

2月26日(水)
池澤夏樹『きみが住む星』(角川文庫)読了。

きみが住む星

きみが住む星

  • 出版社/メーカー: 文化出版局
  • 発売日: 1992/10/01
  • メディア: 単行本


日本を出発した「ぼく」が、旅先から「きみ」に送る手紙と写真。
池澤夏樹の文章と、オーストリアの写真家エルンスト・ハースの写真から成る本。

何よりも、エルンスト・ハースの写真がすばらしい。
風景写真が主だが、普通の写真は一つもない。
どれも工夫があって、ハッとさせられる。
池澤氏はハースの写真を見て、いろいろ想像して、文章を書いたのだろう。
写真と文章の距離感が毎回変わり、非常に楽しめた。

今日は妻と2人で上野の東京都美術館へ行き、「ハマスホイとデンマーク絵画」展を見てきました。
19世紀から20世紀にかけてのデンマーク絵画と、その中心人物であるヴィルヘルム・ハマースホイの作品。
ハマスホイは「北欧のフェルメール」とも呼ばれているらしいが、けっして似てない。
室内画が主であるところだけ。
フェルメールは室内にいる人物を描くが、ハマスホイは室内そのものを描く。
そこには壁とドアと窓しかない。
が、ひたすら美しい。
そして、痺れるほど静か。
今回の展覧会まで、僕はハマスホイを知らなかったが、これほど凄い画家だとは思わなかった。
見に行ってよかった!
お薦めです。

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純愛中毒 [映画]

2月26日(水)
パク・ヨンフン監督『純愛中毒』(2002年)GEOのレンタルDVDで鑑賞。

純愛中毒 コレクターズBOX [DVD]

純愛中毒 コレクターズBOX [DVD]

  • 出版社/メーカー: エスピーオー
  • 発売日: 2004/09/03
  • メディア: DVD


ウンス(イ・ミヨン)はイベント会社に勤めていて、家具職人のホジンと結婚している。
ホジンにはカーレーサーの弟がいて、名前はテジン(イ・ビョンホン)。
兄夫婦の家にしょっちゅう遊びに来ていた。
ある日、テジンはレース中に事故を起こす。
同時刻、ホジンを乗せたタクシーがレース会場に向かう途中で事故を起こす。
2人とも重傷で、昏睡状態に陥る。
1年後、テジンだけが目覚める。
ところが、テジンは、自分はホジンだと言った……。

韓国映画はこれが74本目。
結末は予想通りで、しかもリアリティは皆無。
しかし、俳優たちの演技かよいので、まあまあ楽しむことができた。
イ・ビョンホン、確かにカッコイイ。
純愛中毒.jpg
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官能教育 [本]

2月25日(火)
植島啓司『官能教育』(幻冬舎新書)読了。

官能教育 私たちは愛とセックスをいかに教えられてきたか (幻冬舎新書)

官能教育 私たちは愛とセックスをいかに教えられてきたか (幻冬舎新書)

  • 作者: 植島 啓司
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2013/11/29
  • メディア: 新書


宗教人類学者の植島啓司が、世界の恋愛観、結婚観の変遷を考察する。

〇世界には一夫一妻制ではない社会が数多存在する。
〇キリスト教もイスラム教もヒンドゥー教も、一夫一妻制という決まりはない。
〇19世紀のヴィクトリア朝の文化が、一夫一妻制、性愛の隠蔽を強く押し進めた。
〇が、そのヴィクトリア朝においても、男は愛人を持ったし、女も不倫した。
〇21世紀の現代では、もはやヴィクトリア朝の一夫一妻制は形骸化しているのではないか?
一人の人を愛し続けるのは4年が限界、という通説があるそうだ。
夫婦の離婚率は結婚4年目で一気に高まるらしい。
3年目の浮気、4年目の離婚というわけだ。
うちの夫婦は29年目に入ったが、これなど僥倖と呼ぶべきなのだろう。
妻に感謝。

今日は年に一度の確定申告に行ってきました。
帰宅後は、『容疑者χの献身』のテキストレジ。
今週中に何とか完成したいと思っています。
頑張ります。

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アフターライフ [映画]

2月25日(火)
アグニェシュカ・ヴォイトヴィッチ=ヴォスルー監督『アフターライフ』(2009年)GYAOで鑑賞。

AFTER LIFE

AFTER LIFE

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2020/02/25
  • メディア: Blu-ray


アメリカ。
小学校教師のアンナ(クリスティーナ・リッチ)は、恋人のポール(ジャスティン・ロング)と喧嘩して、レストランを飛び出す。
雨の中、車を走らせ、事故に遭う。
目覚めると、寝台の上。
そこは、エリオット・ディーコン(リーアム・ニーソン)の葬儀会社の地下室で、エリオットから「あなたは死んだ」と聞かされる。
しかし、アンナには信じられない……。

どうやらアンナは生きているようなのだが、だとすれば、エリオットはどういうつもりなのか、最後まで明らかにされずに終わるので、消化不良の感。
調べたら、監督はインタビューで、エリオットはシアリルキラーだと言ったらしい。
えーっ?!
だとしたら、なぜアンナを4日間、地下室に閉じ込めておいたの?
というふうに、説明不足で、出来の悪い映画。
クリスティーナ・リッチのヌードは美しかった。

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