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サバイバル・ファミリー [映画]

1月9日(火)
矢口史靖監督『サバイバル・ファミリー』(2017年)WOWOWで鑑賞。

サバイバルファミリー DVD

サバイバルファミリー DVD

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD


東京。
サラリーマン・鈴木義之(小日向文世)は、主婦の妻・光(深津絵里)、大学生の長男・賢司(泉澤祐希)、高校生の長女・結衣(葵わかな)の4人暮らし。
ある日、家の中の電気がすべて消えてしまう。
義之・賢司・結衣は徒歩で家を出るが、我が家だけでなく、東京中から電気が消えてしまったらしい。
それでも数日間は家で暮らし続けたが、食料と水が尽き、東京を出る決心をする。
目指すは、光恵の父・佐々木重臣(柄本明)が住む鹿児島。
4人はそれぞれ自転車にまたがり、出発する……。

電灯が点かなくなったり、冷蔵庫が止まったするのはわかるが、懐中電灯の電池まで切れるのは、科学的に変。
しかし、そういう現象なのだ、と思えば、後は気にならない。
サバイバル能力のない4人が徐々に逞しくなっていくのが楽しい。
ハリウッド映画なら、暴力や悪意が次から次へと襲いかかるだろうが、日本が舞台だし、監督が矢口史靖氏なので、終始穏やか。
4人のコミカルな旅を楽しむことができた。
小日向文世さんが、気は強いが、隙だらけの父親を好演。
この映画はあまり注目されなかったと思うが、良作です。
お薦めです。

矢口監督の映画を見るのは、
『ひみつの花園』(1997年)
『アドレナリンドライブ』(1999年)
『ウォーターボーイズ』(2001年)
『スウィングガールズ』(2004年)
『ハッピーフライト』(2008年)
『ロボジー』(2011年)
『WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~』 (2014年)
に続いて、8本目。
一番おもしろかったのは『ひみつの花園』、一番好きなのは『ウォーターボーイズ』です。
次の映画に期待したいと思います。

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宇宙ヴァンパイアー [本]

1月8日(月)
コリン・ウィルソン『宇宙ヴァンパイアー』(新潮文庫)読了。

宇宙ヴァンパイアー (新潮文庫)

宇宙ヴァンパイアー (新潮文庫)

  • 作者: コリン ウィルソン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/06/26
  • メディア: 文庫


オロフ・カールセンは宇宙船ヘルメス号の船長で、太陽系の小惑星区域を調査中、巨大な物体を発見する。
それは全長50マイルにも及ぶ宇宙船だった。
部下たちと探索すると、その宇宙船は隕石の衝突により難破したもので、中は無人だった。
が、人間の遺体が幾つも見つかった。
カールセンたちは3人の遺体をヘルメス号に運び込む。
ロンドンに戻ったカールセンは、英雄として称賛を受ける。
ところが、研究所に例の遺体を見に行くと、そのうちの一人が突如、目覚めて、起き上がった!

村上柴田翻訳堂の1冊。
ただし、この本の翻訳は中村保男氏。
コリン・ウィルソンは1931年、イギリス・レスター生まれの評論家・小説家で、1956年に評論『アウトサイダー』で注目を集めた。
代表作は『賢者の石』『オカルト』など。
『宇宙ヴァンパイアー』は1976年に発表されたSFで、タイトルはB級っぽいが、中身は本格SF。
筋を追うだけでなく、「ヴァンパイアー」という存在そのものを考察する、思弁小説にもなっている。
読み応え充分で、僕は非常におもしろかった。
お薦めです。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』の稽古5日目。
8・9・10場の立ち稽古をしました。
3つとも、野球の練習や試合をするので、その段取りを組むのが大変。
舞台上が混み合うので、交通整理をしなければならないのです。
普通に会話する部分ではホッとします。
しかし、若い男の子たちがエネルギッシュに動き回るのは、やはり見ていてとても楽しい。
うまく整理して、もっと見やすく、もっとおもしろいものにしたいと思います。
やるでやるでやるで!

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季刊高校演劇204号 [本]

1月8日(月)
黒羽英二他編『季刊高校演劇204号』(高校演劇劇作研究会)読了。

2010年4月の出版で、脚本4本とエッセイ3本を収録。
印象に残ったのは、高場光春『先生とチュウ』。
2009年度九州大会で創作脚本賞を受賞した作品。
教員採用試験を落ち続けている常勤講師が、女子生徒に頼まれて、担任のかわりに三者面談をやることになる。
まるでシチュエーション・コメディのような設定で、上手に笑わせながら、母と娘の葛藤、若い教師の葛藤を描く。
全国大会に進めなかったのは、他にもっとおもしろい高校があったからだろうか?

今日は大学2年の娘の成人式です。
母校の高校で行われるそうです。
娘と妻はこの日のために、着物を借りたり、写真を撮りに行ったり、様々な準備をしてきました。
僕はノータッチでしたが、こんなに手間がかかるものかと呆れていました。
37年前、僕は成人式に何の興味もなく、完全にスルーしたので。
それにしても、無事に20歳まで育ってくれて、本当によかった。
20年前に娘が生まれた時、この子が20歳になるまで死ねない、と思いました。
本当にアッという間でした。
でも、息子はまだ17歳なので、まだまだ死ねません。

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映画を作りながら考えたこと [本]

1月7日(日)
高畑勲『映画を作りながら考えたこと』(文春ジブリ文庫)読了。

映画を作りながら考えたこと 「ホルス」から「ゴーシュ」まで (文春ジブリ文庫)

映画を作りながら考えたこと 「ホルス」から「ゴーシュ」まで (文春ジブリ文庫)

  • 作者: 高畑 勲
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/02/07
  • メディア: 文庫


アニメ監督の高畑勲が、『太陽の王子ホルスの大冒険』から『セロ弾きのゴーシュ』までを語る。

1991年に出版された本の文庫化。
僕は高畑勲氏の作品では、『赤毛のアン』『セロ弾きのゴーシュ』『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』が大好き。
高畑氏が『ハイジ』でアニメの世界にリアリズムを持ち込んだことは、一つの革命だったと思う。
巻末に、2014年に行われた、高畑氏、宮崎駿氏、鈴木敏夫氏の鼎談がついていた。
その中で、高畑氏が宮崎作品の、宮崎氏が高畑作品のベスト1を選んでいた。
高畑氏が選ぶ宮崎作品のベスト1は『となりのトトロ』!
やっぱりなあ、と思う。
宮崎氏が選ぶ高畑作品のベスト1は『アルプスの少女ハイジ』!
これもまた、やっぱりなあ、と思う。
このお二人の趣味はかなりズレている。
だから、名コンビになれたのだと思う。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』、今日は稽古休み。
僕は自宅で、明日以降の演出の準備。
稽古は全部で4週間。
昨日で第一週が終わり、明日から第二週が始まります。
立ち稽古は全12場中、7場まで進み、明日は8場から。
いよいよ台本の後半に突入します。
前半をやってみて、役者22人の出入り、動き、野球のプレイなど、様々な段取りを決めるのがどれほど大変か、よくわかりました。
だから、後半はしっかり準備して稽古に臨もうと考えたわけ。
それでは続きに戻ります。
やったるで。

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季刊高校演劇201号 [本]

1月7日(日)
黒羽英二他編『季刊高校演劇201号』(高校演劇劇作研究会)読了。

2009年度高校演劇コンクール全国大会で上演された脚本10編を収録したもの。
印象に残ったのは、曽我部マコト『ふ号作戦』、帯広柏葉高校演劇部『これからごはん』、畑澤聖悟『ともことサマーキャンプ』。
『これからごはん』は最優秀賞を受賞したが、きわめて真っ当なホームドラマで、しかもなかなか完成度が高かった。
これを顧問でなく、部員たちが書いたというのは凄い。
高校演劇にはいつも驚きがある。
だから、おもしろい。

僕は高校時代、体操部と演劇部に入っていました。
普段は体操部で、春と秋は演劇部の公演にも参加。
どちらも校内のみの上演で、コンクールには参加しませんでした。
コンクールがあることは知っていましたが、1年で入部した時、2年の先輩から、顧問が「君たちはコンクールに参加できるレベルではない」と言っている、だから伝統的に参加していない、と聞きました。
僕は「ふーん、そういうものか」と思っただけで、特に反発もせず、3年間全く興味を持ちませんでした。
なので、他校の芝居は一本も見ませんでした。
今から思うと、少々残念です。
なぜ先輩の言葉に疑問を持たなかったのか。
なぜ自分でコンクールについて調べようと思わなかったのか。
同い年の横内謙介さんは神奈川県立厚木高校演劇部で全国大会に進出していたのに。
今の高校生にぜひとも言いたい!
他校の芝居を見よう!
きっとためになるよ!

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消滅世界 [本]

1月6日(土)
村田沙耶香『消滅世界』(河出書房新社)読了。

消滅世界

消滅世界

  • 作者: 村田 沙耶香
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2015/12/16
  • メディア: 単行本


雨音は母と二人暮らし。
この時代、セックスはほぼ消滅しかかっていて、子供のほとんどが人工授精で生まれていた。
夫婦は同居するが、セックスしない。
そして、それぞれが恋人を作る。
それは人間の場合もあれば、アニメや小説の登場人物の場合もある。
セックスに関心がないので、相手が二次元でも問題ないのだ。
ところが、母の話によれは、雨音は父と母がセックスして生まれた子供らしい。
そのことを小学校で口にすると、同級生から、「近親相姦で生まれた子」とバカにされた……。

村田沙耶香氏の本はこれが3冊目。
SF的な設定の純文学だが、僕はこの設定にリアリティが感じられなかった。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』の稽古4日目。
ダンス振付の1回目。
川崎悦子先生が物凄い勢いで3時間、振り付けてくださいました。
役者たちは意外と上手で、難しい振りをどんどん覚えて、踊っていました。
その後、6・7場を稽古して、みんなダンスで疲れているだろうと、少し早めに終わりにしたのですが、ほとんどの役者か居残って、ダンスの復習をしていた。
みんなのやる気が感じられて、本当にうれしかった。
僕も頑張ろうと思いました。

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インランド・エンパイア [映画]

1月6日(土)
デイヴィッド・リンチ監督『インランド・エンパイア』(2006年)WOWOWで鑑賞。

インランド・エンパイア [DVD]

インランド・エンパイア [DVD]

  • 出版社/メーカー: 角川映画
  • メディア: DVD


ニッキー・グレース(ローラ・ダーン)はハリウッドの女優で、富豪の夫ピオトルケ・クロール(ピーター・J・ルーカス)と暮らしている。
ニッキーは『暗い明日の空の上で』という映画の主役を演じることになる。
監督はキングスリー・スチュワート(ジェレミー・アイアンズ)、相手役はデヴォン・バーク(ジャスティン・セロー)。
実は『暗い明日の空の上で』は、ポーランド民話を元にした映画『47』のリメイクで、この映画は撮影中に主演の二人が殺され、未完のまま終わっていた。
撮影が進むうち、ニッキーとデヴォンは映画のストーリーと同じように、不倫をしてしまう……。

意味がわからないだろうな、と覚悟して見たのだが、まさかここまでとは!
3時間の長尺で、わかるのは最初の1時間のみ。
あとの2時間はニッキーの悪夢らしきものが次々と映し出されていく。
『ロスト・ハイウェイ』『マルホランド・ドライブ』は、これはどういう意味だろうと考えるおもしろさがあったが、この映画は無理。
ところどころでハッとするような映像があったので、何とか最後まで耐えることができた。
降参です。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』の稽古4日目。
稽古は1300からですが、1130から小道具会議があるで、もう家を出ます。
キャラメルボックスの公演では、小道具会議はやりませんが、今回はプロデュース公演なので、一つ一つを丁寧にやっていかなければなりません。
音楽は前半だけ考えましたが、なんと18曲もかけることになりました。
キャラメルボックスでやる時の2倍の数です。
音楽もSEもいっぱいで、僕が今まで作ってきたものとは大きく違う芝居になりそうです。
何だかとってもドキドキします。
それでは、行ってきます。

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季刊高校演劇196号 [本]

1月5日(金)
黒羽英二他編『季刊高校演劇196号』(高校演劇劇作研究会)読了。

2008年度高校演劇コンクール全国大会で上演された脚本10作を掲載。
印象に残ったのは、畑澤聖悟『河童』、亀尾佳宏『暮れないマーチ』、阿部順『Leaving School』の3本。
しかし、2年前の『ひととせ』や『全校ワックス』のような凄さはなかった。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』の稽古3日目。
ようやく今日からキャスト全員が参加しました。
なので、昨年末に稽古した1~6場を復習。
各場2回ずつやって、6場の1回目で時間切れとなりました。
今日から演出助手の有坂美紀がSE(効果音)を出し始めました。
ボールがバットに当たる音とか、ボールをグローブでキャッチする音とか。
音が入って、かなり野球らしくなった。
しかし、演技とSEのタイミングを合わせるのはなかなか難しい。
とにかく練習するしかないと思いました。

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ロスト・ハイウェイ [映画]

1月5日(金)
デイヴィッド・リンチ監督『ロスト・ハイウェイ』(1996年)WOWOWで鑑賞。

ロスト・ハイウェイ デイヴィッド・リンチ リストア版 [Blu-ray]

ロスト・ハイウェイ デイヴィッド・リンチ リストア版 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • メディア: Blu-ray


サックス奏者のフレッド(ビル・プルマン)は、妻のレネエ(パトリシア・アークェット)と二人暮らし。
ある朝、玄関の前にビデオテープが置かれていた。
そこには二人の家が映っていた。
次の日の朝もビデオがあり、中身を見ると、寝室で寝ている二人の姿が!
二人はすぐに警察を呼んだが、犯人も動機もわからない。
その夜、二人は、レネエの友人アンディのパーティに行く。
フレッドはそこで白塗りの男・ミステリーマン(ロバート・ブレイク)に話しかけられる。
帰宅すると、またしてもビデオがあった。
そこにはなんと、レネエのバラバラ死体が映っていた!
気がつくと、フレッドは警察にいた。
裁判所に連れていかれ、妻殺しの罪で死刑を宣告された。
フレッドは刑務所に収監されたが、ある朝、看守が彼の独房を覗いて驚愕する。
中にいたのはフレッドでなく、自動車修理工のピート(バルサザール・ゲティ)だった!
ピートは釈放され、修理工場に戻る。
そこへ、町の顔役のミスター・エディ(ロバート・ロッジア)が愛人を連れてやってくる。
愛人のアリス(パトリシア・アークェット)はレネイに瓜二つだった……。

フレッドがピートに入れ替わった瞬間から、映画は現実を逸脱する。
筋は追えるが、辻褄は合わない。
意味がよくわからない。
もちろん、監督のデイヴィッド・リンチが意図的にしたことで、このわからなさを受け入れられるかどうかが、この映画を楽しむ鍵。
しかし、この監督の『イレイザー・ヘッド』や『マルホランド・ドライブ』よりはわかりやすく、僕にはそれなりに楽しめた。

今日から『おおきく振りかぶって』の稽古が再開。
昨年末の稽古は新中野のキャラメルボックスの稽古場でやったのですが、今日からは別の稽古場。
自宅からはちょっと遠い町。
通うのは厄介ですが、電車内で本が読めるのはうれしい。
高校時代は通学に2時間15分かかったので、たくさん読めました。
それでは行ってきます。

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ハーバードでいちばん人気の国・日本 [本]

1月4日(金)
佐藤智恵『ハーバードでいちばん人気の国・日本』(PHP新書)読了。

ハーバードでいちばん人気の国・日本 (PHP新書)

ハーバードでいちばん人気の国・日本 (PHP新書)

  • 作者: 佐藤 智恵
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2016/01/16
  • メディア: 新書


元NHKディレクターで作家の佐藤智恵が、ハーバード大学経営大学院における日本人気を紹介する。

ハーバード大学経営大学院の1年生が毎年3月に行う海外研修旅行の行き先で一番人気があるのが日本だと言う。
授業でもしばしば日本の企業が取り上げられる。
〇テッセイの「新幹線お掃除劇場」
〇トヨタの「カイゼン」
〇世界初の先物市場・堂島米市場
〇岩崎弥太郎と三菱グループ
〇渋沢栄一の合本主義
〇ホンダのスーパーカブ
〇アベノミクス
〇六本木ヒルズ
〇楽天の社内英語公用語化
〇モラルリーダーとしての昭和天皇
〇福島第二原発を救った「チーム増田」
などなど。
「右寄りな本かも」と不安を抱きながら読み始めたが、杞憂だった。
日本と日本人に誇りが持てる本。
お薦めです。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』の稽古が明日から再開。
年末に立ち稽古をした1~6場の脚本改訂が完了しました。
明日、変わった部分だけ印刷して配布します。
音楽についても、きっかけとそれぞれの曲調を考え始めました。
何しろ、ダンス曲以外はすべてオリジナルなので、音楽担当のジャッキー池田さんは大変。
一刻も早く作曲・録音ができるように、構想を立てなければなりません。
僕は普段は効果音をほとんど使わないのですが、今回は題材が野球なので、いっぱい使うつもり。
これも考えなければならないので、本当に大忙し。
お正月気分は今日でおしまいです。
頑張ります。

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