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男はつらいよ [映画]

10月31日(土)
山田洋次監督『男はつらいよ』(1969年)NETFLIXで鑑賞。

男はつらいよ〈シリーズ第1作〉 4Kデジタル修復版 [Blu-ray]

男はつらいよ〈シリーズ第1作〉 4Kデジタル修復版 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 松竹
  • 発売日: 2019/12/25
  • メディア: Blu-ray


東京、葛飾柴又。
車寅次郎(渥美清)は34歳独身のテキヤ。
14歳の時、父とケンカして家出してから20年ぶりに実家に帰ってくる。
実家はだんご屋の「とらや」で、おいちゃん(森川信)、おばちゃん(三崎千恵子)、妹のさくら(倍賞千恵子)が暮らしている。
翌日、寅次郎は、おいちゃんの代理で、さくらのお見合いに出席する。
ホテルのレストランの個室で行なわれたお見合いで、テーブルマナーを無視し、下ネタのジョークを連発した挙げ句、悪酔いをして、席をぶち壊しにしてしまう……。

その後26年間で48作作られたシリーズの第一作。
子供の頃、テレビで見たが、数十年ぶりに鑑賞。
20年ぶりに妹・さくらを見て、寅次郎はその美しさに息を飲む。
一方、さくらは恐怖に後ずさる。
が、兄だと気付くと、一瞬で破顔する。
寅次郎にとって、世界で一番大切な女性はさくらなのだと改めて思った。
それにしても、第一作の寅次郎のダメさ加減には呆れるばかり。
しかし、映画としては、次から次へと事件が起こって、一瞬も退屈しないし、笑えるし、泣けるしで、文句なしの傑作。
マドンナは光本幸子。
御前様の笠智衆はこの頃はまだまだお元気でうれしい。
諏訪博の前田吟も若々しい好青年。
博の父の諏訪飈一郎(ひょういちろう)の志村喬に泣かされた。
寅次郎の舎弟の川又登の津坂匡章が明るく元気でいい。
お薦めです。

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屍人荘の殺人 [映画]

10月31日(土)
木村ひさし監督『屍人荘の殺人』(2019年)WOWOWで鑑賞。

屍人荘の殺人 DVD通常版

屍人荘の殺人 DVD通常版

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2020/06/17
  • メディア: DVD


葉村譲(神木隆之介)は神紅大学ミステリー愛好会の新入部員。
会長の明智恭介(中村倫也)は「神紅のホームズ」と自称し、葉村を「ワトソン」呼ばわりする。
ある日、同じ大学の学生で、警察に協力して難事件を解決している「探偵少女」剣崎比留子(浜辺美波)に誘われ、ロックフェス研究会の夏のイベントに参加することになる。
ロックフェス研究会に何者かが脅迫状を送ってきたのだ。
一行は高級ホテル「紫湛荘」に宿泊し、イベント会場へ向かう。
そこで突然、観客の一部が他の観客に噛み付き始めた。
噛まれた観客は血みどろの状態で、別の観客に噛みついた。
その姿はまるでゾンビだった……。

第27回鮎川哲也賞を受賞した、今村昌弘の同名ミステリーの映画化。
原作はミステリーとゾンビものを融合させた傑作で、僕も読んだ時は非常に感心した。
映画は「ミステリー研」を「ロックフェス研」に変更した以外はほぼ原作に忠実だが、撮り方が完全にテレビドラマの手法のため、現実感と緊張感を著しく欠いた、ライトなコメディになってしまった。
ああ、もったいない。

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姫君たちの明治維新 [本]

10月31日(土)
岩尾光代『姫君たちの明治維新』(文春新書)読了。

姫君たちの明治維新 (文春新書)

姫君たちの明治維新 (文春新書)

  • 作者: 光代, 岩尾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/09/20
  • メディア: 新書


元「毎日グラフ」「サンデー毎日」編集部記者の岩尾光代が、徳川家・有栖川宮家・前田家・鍋島家などの姫君31人の明治維新後の動向を解説する。

取り上げられたのは、
〇徳川13代将軍家定夫人・天璋院篤姫
〇14代将軍家茂夫人・皇女和宮
〇徳川16代宗家夫人・徳川泰子
〇有栖川宮幟仁親王妃・貞子
〇11代将軍家斉娘・加賀藩主前田斉泰正室・溶姫(やすひめ)
〇佐賀藩主鍋島直大娘・梨本宮守正王・伊都子妃
鹿鳴館で名を馳せた人、パリに移住した人、開拓民になった人など、様々。
基本的に、維新後も「華族制度」があったし、資産もあったため、多くの姫君は身分が守られた。
没落した人はほとんどいなかった。
が、それはこの本で取り上げられた人たちだけの話で、小藩の姫君は大変だったのかもしれない。
岩尾氏の続編を待ちたい。

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砂漠の船 [本]

10月30日(金)
篠田節子『砂漠の船』(双葉社)読了。

砂漠の船 (双葉文庫)

砂漠の船 (双葉文庫)

  • 作者: 篠田 節子
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2008/01/10
  • メディア: 文庫


幹郎は40代の会社員で、同じく会社員の妻・由美子、中学生の娘・茜と東京西部のニュータウンで暮らしている。
地方出身で、子供の頃、両親が出稼ぎに出て、寂しい思いをしたため、家族を大事にするのが信条。
若い頃、転勤を断ったため、出世コースから外された。
由美子にも海外勤務を断らせた。
ある日、団地の近所の公園でホームレスの老人の死体が発見される。
子供にいたぶられ、噴水で溺れ死にしたらしい。
その子供の中に茜がいたと聞き、本人に問いただしたが、素直に答えようとしない……。

篠田節子氏の本はこれが34冊目。
普通のサラリーマンの話だが、次から次へと事件が起きて、家族は崩壊していく。
単行本で396ページだが、読み応え十分。
これだから、篠田氏の作品はやめられない。
娘の茜はいわゆる「やおい」で、そんな娘を持ってしまった父親の苦悩が描かれるのが何ともおもしろい。
お薦めです。

『成井豊と梅棒のマリアージュ』のチラシが完成しました。
ぜひぜひご来場ください。

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ムーラン [映画]

10月30日(金)
ジングル・マ監督『ムーラン』(2009年)GYAOで鑑賞。

ムーラン [DVD]

ムーラン [DVD]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • 発売日: 2013/11/08
  • メディア: DVD


古代中国、魏の国。
ムーラン(ヴィッキー・チャオ)は病気の父(ユー・ロングァン)に代わって、男装して、柔然の国との戦争に行く。
上官のウェンタイ(チェン・クン)に、女であることを見抜かれるが、彼は見逃してくれた。
その時、敵の柔然の一軍が襲いかかる。
ムーランはウェンタイと協力して、敵の将軍の首を取る。
自軍の将軍も戦士したため、ウェンタイが将軍、ムーランが副将軍に就任する。
二人の軍は連戦連勝で、柔然を追い込んでいく……。

原題は『花木蘭』。
中国では教科書にも載るほど有名な物語で、京劇にもなっている。
1998年、ディズニーがアニメ映画化して、大ヒット。
上記は1999年に中国本国で実写映画化されたもの。
「ムーラン」役は、『少林サッカー』でもヒロインを演じたヴィッキー・チァオ。
非常に可愛いが、小柄で華奢なため、強靱な女戦士には見えない。
悪役の敵国の王子がジャッキー・チェンに似てると思ったら、息子のジェイシー・チャンだった。
映画全体は悲劇の色が濃く、重い印象。
今年、ディズニーが実写映画化したが、中国ではかなり苦戦しているらしい。
京劇やアニメならともかく、実写映画にするには難しいようだ。

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ヒキタさん!ご懐妊ですよ [映画]

10月30日(金)
細川徹監督『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』(2019年)WOWOWで鑑賞。

ヒキタさん! ご懐妊ですよ [DVD]

ヒキタさん! ご懐妊ですよ [DVD]

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • 発売日: 2020/04/08
  • メディア: DVD


49歳の作家ヒキタクニオ(松重豊)は、二回り近く年下のサチ(北川景子)と結婚。
子供は作らないという約束だったが、ある日、サチが「ヒキタさんの子供に会いたい」と言う。
こうして妊活が始まったが、1年経っても出来ない。
二人で婦人科に検査に行ったところ、問題があるのはヒキタの方だった。
精子の運動率が低く、このままでは妊娠は難しいらしい。
ヒキタは自分の「駄目金玉」を改善すべく、生活改善に取り組むが……。

『凶気の桜』『遠くて浅い海』などの作家ヒキタクニオが自身の体験を書いたエッセイを映画化。
不妊問題で男性の方が原因という話は珍しく、興味深く見た。
ストーリーは誰もが予想する通りだが、「ヒキタ」役の松重豊さんの演技がすばらしく、引き込まれた。
妻の「サチ」役の北川景子も抑えた演技で、初めて美人に見えた。
編集者の「杉浦俊一」役の濱田岳も、相変わらず飄々とした演技が小憎らしいほどうまい。
このメインの3人の演技と、細川徹監督のセンスの良さによって、いい映画になったと思う。
他に、「サチ」の父役で、伊東四朗さんが出演。
お薦めです。

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ファンベース [本]

10月29日(木)
佐藤尚之『ファンベース』(ちくま新書)読了。

ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために (ちくま新書)

ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために (ちくま新書)

  • 作者: 佐藤尚之
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/02/22
  • メディア: Kindle版


(株)ツナグ代表で、コミュニケーション・ディレクターの佐藤尚之が、マーケティングにおけるファンベースの重要性について解説する。

「ファンベース」とは、ファンを大切にし、ファンをベースにして、中長期的に売上や価値を上げていく考え方。
近年、企業の短期的・単発的な施策は驚くほど効果がなくなってきているらしい。
一瞬話題になっても、すぐに元に戻る。
「パレートの法則」は別名「20:80の法則」「ニハチの法則」とも呼ばれている。
顧客数の上位20パーセントが、売上の80パーセントを占めるという意味。
新規の顧客を増やすことより、ファンを喜ばせ、そのファンの口コミでさらにファンを増やすこと。
これが急務だと佐藤氏は語る。
具体的な成功例もたくさん挙げていて、たとえばカゴメの株の99,5パーセントは個人らしい。
ファンが株主になっているのだ。
これならカゴメは潰れない。
ファンベースの第一歩はファン・ミーティングを開き、ファンの声に耳を傾けよとも佐藤氏は言う。
この手の本はあまり読まないので、非常にタメになった。
お薦めです。

今日は今年47回目のジョギング。
3,5キロ走って、1,0キロ歩いて、0,5キロ軽く走りました。
3,5キロのタイムは、19分33秒。
前回より12秒短縮して、前々回と同じになりました。
快調だったので、もっと短縮できたかと思ったのに……。
トータルで5キロのはずなのに、スマホの万歩計では6,3キロ。
スマホを信じるべきか、地図を信じるべきか、困っています。

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トランボ [映画]

10月29日(木)
ジェイ・ローチ監督『トランボ』(2015年)GEOのレンタルDVDで鑑賞。

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 [Blu-ray]

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2017/05/10
  • メディア: Blu-ray


1940年代、ハリウッド。
ダルトン・トランボ(ブライアン・クランストン)は一流の脚本家で、妻クレオ(ダイアン・レイン)と3人の子供たちと暮らしている。
アメリカ共産党の党員として、エドワード・G・ロビンソン(マイケル・スタールバーグ)など、ハリウッドの党員たちと定期的に会合を開いていた。
第二次世界大戦後、赤狩りの対象となり、公聴会に呼び出されるが、回答を拒否。
法廷侮辱罪で1年間服役する。
出所後も仕事はなく、生活のために、三流映画会社の社長フランク・キング(ジョン・グッドマン)に談判して、偽名で脚本を書き始める。
一方、服役前に書いた『ローマの休日』を友人のイアン・マクレラン・ハンター(アラン・テュディック)に譲ったところ、映画が大ヒットし、アカデミー賞脚本賞を受賞してしまう。
真の作者はトランボという噂が広まり、スター俳優のカーク・ダグラス(ディーン・オゴーマン)や、大物監督のオットー・プレミンジャー(クリスチャン・ベルケル)が自宅に脚本の依頼にやってくる……。

実話に基づいた映画。
ダルトン・トランボは、赤狩りでハリウッドを追放されたいわゆる「ハリウッド・テン」の中心人物。
彼の半生を描いたため、ハリウッドの有名人が続々登場。
赤狩りの実態がわかり、とてもタメになった。
他に、
ヘッダ・ホッパー(ヘレン・ミレン)/『スパルタカス』にトランボを起用したカーク・ダグラスを批判したコラムニスト。
ニコラ・トランボ(エル・ファニング)/トランボの長女。
ジョン・ウェイン(デヴィッド・ジェームズ・エリオット)/赤狩りに加担した「アメリカの理想を守るための映画同盟」の一員。
サム・ウッド(ジョン・ゲッツ)/「アメリカの理想を守るための映画同盟」の一員。
などなどが出演。
お薦めです。

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靴職人と魔法のミシン [映画]

10月29日(木)
トーマス・マッカーシー監督『靴職人と魔法のミシン』(2014年)GYAOで鑑賞。

「靴職人と魔法のミシン」DVD

「靴職人と魔法のミシン」DVD

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2015/12/02
  • メディア: DVD


マンハッタンのロウアー・イーストサイド。
マックス・シムキン(アダム・サンドラー)は、靴修理の店の四代目。
父のアブラハム(ダスティン・ホフマン)が家出したため、母と二人暮らし。
友達は、隣の床屋のジミー(スティーヴ・ブシェミ)だけ。
ある日、黒人のギャングふうの男レオン・ラドロー(メソッド・マン)が店を訪れ、今日中に直せと靴を置いていく。
ところが、ミシンが故障したため、地下に置いてあった古い足踏み式のミシンで修理を行なった。
完成後、試しに履いてみると、マックスの体は、その靴の持ち主のレオンに変身した!

靴で変身、というアイディアは悪くないが、そこから始まる冒険にスケール感がなく、地味な映画になってしまった。
が、けっして悪い出来ではない。
アダム・サンドラーは日本ではあまり人気がないが、本国アメリカでは大スターで、興行収入が1億ドルを越えた作品が15本以上あるらしい。
僕も『50回目のファースト・キス』『ウェディング・シンガー』『もしも昨日が選べたら』などは大好きだ。
ダスティン・ホフマンとスティーヴ・ブシェミも良い仕事をしている。
というわけで、お薦めです。

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冬の光 [本]

10月28日(水)
篠田節子『冬の光』(文春文庫)読了。

冬の光 (文春文庫)

冬の光 (文春文庫)

  • 作者: 節子, 篠田
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/03/08
  • メディア: 文庫


12月28日、富岡碧の62歳の父・康宏の遺体が海上で発見された。
康宏は車で四国遍路の旅を終え、徳島から東京行きのフェリーに乗り、船内で行方不明になった。
警察は自殺と断定した。
碧は父の死の理由を探すため、父の残したメモを頼りに、父の四国での足どりをたどることにする。
康宏には妻の美枝子、長女の敦子、次女の碧と、3人の家族があった。
が、大学時代の恋人である笹岡紘子と長年にわたって関係を続けていた。
康宏と紘子の出会った時、大学は学生運動の真っ只中だった……。

碧の四国を巡る旅と、康宏の大学以降の半生が交互が描かれていく。
碧にとっては父の浮気相手である紘子が、康宏にとってどれほど大事な人間だったかが次第にわかってくる。
康宏は学生運動からリタイアして真っ当なサラリーマンになるが、紘子は大学に残り、女性の権利の拡大のために戦い続ける。
康宏は紘子を深く愛していたが、紘子の性格と生き方があまりにも激しすぎて、結婚という形で寄り添うことができなかったのだ。
が、愛情は60歳を過ぎても消えなかった。
何とも切ない話で、59歳の僕には胸に染みた。
お薦めです。

今日は『成井豊と梅棒のマリアージュ』の第一回美術会議。
新宿の喫茶店で、90分にわたって、あーでもないこーでもないと話し合いをしてきました。
僕が演出するステージは、僕の15分の短編7本立て。
梅棒のステージは、4本立て。
4本のうちの1本は、僕の作・演出です。
つまり、僕はこの冬、8本の短編演劇を作ります。
梅棒の残り3本のうち、1本は再演、2本は新作。
演出の遠山晶司君から新作の構想を聞いて、ワクワクしました。
『成井豊と梅棒のマリアージュ』、動き始めています。

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