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師弟 [本]

6月21日(月)
野村克也+宮本慎也『師弟』(講談社文庫)読了。

師弟 (講談社文庫)

師弟 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/10/15
  • メディア: Kindle版


元プロ野球監督の故・野村克也と、同じく元プロ野球選手の宮本慎也が、「野村野球」の神髄を解説する。

この本は、2016年4月に単行本として出版。
2020年10月に文庫化された。
野村克也氏はその間の、2020年2月に死去。
文庫版では、巻末に、宮本慎也氏が亡き野村を語るインタビューが収録されている。
野村氏はプロ野球の歴史に残る名選手・名監督だった。
真の理論派だった。
人間的欠点もたくさんあったが、それも含めて、人情味溢れる人だった。
僕は野村氏本人よりも、彼の書く本が好きで、おそらく20冊以上読んでいる。
歯に衣着せぬ文章が痛快だった。
長嶋茂雄氏、王貞治氏を、「長嶋」「王」と呼び捨てできる人だったから、怖いものなど何もない。
最後までプロ野球の問題点や選手・監督への批判を書き続けた。
しかし、同時に、人としての正しい生き方も説いた。
この本でも、「人の良し悪しは、その人が親を大切しているかどうかでわかる」と書いている。
身の引き締まる思いがする。
もう新刊が読めないと思うと、残念でならない。

今日はナッポス・プロデュース『容疑者χの献身』の思い出し稽古に行ってきました。
東京公演が終わって1カ月近く経ちましたが、これから地方公演が始まる。
そのために、一度作った芝居を思い出す稽古をしたのです。
しかし、何人もの役者が、果敢に新しい演技を試していました。
芝居をもっとおもしろくするためです。
千秋楽まで貪欲に挑戦し続けること。
僕も演出家として、そうしたいと思います。
頑張ります。

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トップ・シークレット [映画]

6月21日(月)
ジム・エイブラハムズ+デヴィッド・ザッカー+ジェリー・ザッカー監督『トップ・シークレット』(1984年)WOWOWで鑑賞。

トップ・シークレット [DVD]

トップ・シークレット [DVD]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • 発売日: 2008/09/26
  • メディア: DVD


東ドイツ。
国際フェスティバルに出席するため、アメリカから人気ロック歌手ニック(ヴァル・キルマー)がやってくる。
しかし、このフェスの裏で、ストレック将軍(ジェレミー・ケンプ)は西ドイツを制圧して第三帝国を復興しようと企んでいた。
そのために、著名な科学者を誘拐し、秘密兵器を製造させようとしていた。
科学者の娘ヒラリー(ルーシー・ゲタリッジ)は、父を探すために、東ドイツに潜入。
英国諜報員セドリック(オマー・シャリフ)も潜入するが、秘密警察に「処分」されてしまう。
ニックは秘密警察に追われていたヒラリーを助け、地下組織のアジトの本屋に向かう。
本屋の主人(ピーター・カッシング)の協力で、組織のリーダーのナイジェル(クリストファー・ヴイリアーズ)と顔を合わせる。
なんと、ナイジェルは、ヒラリーの元恋人だった。……。

監督はジム・エイブラハムズ、デヴィッド・ザッカー、ジェリー・ザッカーの3人組で、通称「ZAZ」。
ジェリー・ザッカーは、大学時代に兄のデヴィッド、友人のジム・エイブラハムズと共に「ケンタッキー・フライド・シアター」というコントの舞台公演を開始。
これを映画化したのが、『ケンタッキー・フライド・ムービー』(1977年)。
その後、『フライングハイ』(1980年)や『裸の銃を持つ男』(1988年)シリーズなどのパロディ映画を次々とヒットさせた。
ジェリーば「ZAZ」とは別に単独でも活動し、『ゴースト/ニューヨークの幻』などを監督している。
『トップ・シークレット』はバカバカしいギャグがこれでもかと詰め込まれた映画で、僕は終始笑いっぱなしだった。
オマー・シャリフやピーター・カッシングなどの名優が真顔で下らないことをしているのが痛快。
ギャグ映画の傑作と断言したい。
お薦めです。

執筆中だった新作の脚本、ついに昨夜、完成しました!
やったー!
上演は来年の予定なので、改訂する時間はたっぷりあります。
まず今日から3日間で、最初から最後まで、ザッと手直ししようとと思います。

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アーモンド [本]

6月20日(日)
ソン・ウォンビン『アーモンド』(祥伝社)読了。

アーモンド

アーモンド

  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2019/07/12
  • メディア: Kindle版


ユンジェは生まれつき、脳内の扁桃体(アーモンド)が小さく、怒りや恐怖を感じることができない。
母はユンジェが普通の子に見えるように厳しく教育した。
が、ユンジェが15歳の誕生日、事件が起こる。
ユンジェの目の前で、母と祖母が通り魔に襲われ、ナイフで切られたのだ。
祖母は亡くなり、母は植物状態になった。
ユンジェは母がやっていた古本屋を継ぎ、高校に通い始める。
そこで出会ったのが、ゴニだった……。

2020年本屋大賞翻訳小説部門第1位。
韓国で40万部以上売れ、世界13カ国以上で翻訳されたベストセラー。
作者のソン・ウォンビンは1979年、ソウル生まれの女性。
西江大学卒業後、韓国映画アガデミー映画科で映画演出を専攻。
卒業後、多数の短編映画を手がける。
2016年、初の長編小説『アーモンド』が第10回チャンピ青少年文学賞を受賞。
設定や展開が斬新で、とても楽しめた。
非常に映画向きな小説だとも思った。

今日は西葛西の東京俳優・映画&放送専門学校へ行き、ワークショップをしてきました。
1年生の1回目。
2時間を3クラス。
『不思議なクリスマスのつくりかた』の6場を、読み合わせしました。
今年の1年生は演劇未経験者が多かったので、イチから教えました。
すると、言えば言うほど、良くなっていった。
みんな意欲的積極的で、教える方もやり甲斐を感じました。
次回も楽しみです。

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30年後の同窓会 [映画]

6月20日(日)
リチャード・リンクレイター監督『30年後の同窓会』(2017年)WOWOWで鑑賞。

30年後の同窓会 [Blu-ray]

30年後の同窓会 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2018/12/04
  • メディア: Blu-ray


2003年12月。
ラリー・シェパード(スティーヴ・カレル)が、サル・ニーロン(ブライアン・クランストン)の経営するバーにやってくる。
2人はベトナム戦争の戦友だった。
ラリーはサルを連れて、教会へ行く。
そこで牧師をしていたのは、やはり戦友のリチャード・ミューラー(ローレンス・フィッシュバーン)だった。
ラリーは、イラクで戦死した海兵隊員の息子ラリー・ジュニアの遺体を引き取りに行くのに同行して欲しいと言う。
サルとミューラーが同意して、3人は空港に向かう。
ベトナム戦争時代、3人は罪を犯し、ラリーが罪を1人でかぶって、刑務所に行った。
その恩返しだった……。

原題は『Last Flag Flying』。
2005年にダリル・ポニクサンが発表した小説『Last Flag Flying』を映画化。
『ラスト・フラッグ・フライング』の方がカッコよかったと思うが。
ラリーの息子は戦闘中で死んだのではなく、コーラを買いに行って、テロリストに撃たれたのだった。
ラリーはアーリントン墓地への埋葬を拒否し、自分で遺体を運搬して、自分の家族の墓地に埋葬することに決める。
つまり、3人のおっさんが遺体を運ぶロードムービー。
「サル」があまりにも落ち着きのない人物でちょっとイライラしたが、3人のうち1人はこういうタイプにしないと、話が転がらないのは理解できた。
それ以外はとても楽しめた。
やはり、リチャード・リンクレイター監督の映画にハズレはない。
お薦めです。

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幸福になるための人生のトリセツ [本]

6月19日(土)
黒川伊保子『幸福になるための人生のトリセツ』(清流出版)読了。

幸福になるための人生のトリセツ

幸福になるための人生のトリセツ

  • 作者: 黒川伊保子
  • 出版社/メーカー: 清流出版
  • 発売日: 2019/09/07
  • メディア: 単行本


人口知能研究者・感性アナリストの黒川伊保子が、最新の脳科学に基づいて、人が幸福になるためのノウハウを伝授する。

黒川伊保子氏の本はこれが11冊目。
いわゆる「トリセツ」シリーズの1冊で、今までの著作の総集編のような本。
これは前に読んだな、という話が多かったが、このシリーズに触れてない人には非常にわかりやすく、タメになる本だと思う。
字も大きいので、普段本を読まない人にも読みやすい。
つまり、黒川理論の入門書のような本。
お薦めです。

執筆中の新作、全12場中、11場まで書き上げました。
残り1場!
今朝は、10時から12まで、日本演出者協会の理事会でした。
月に一度、ZOOMで行います。
僕は理事になって、丸4年。
理事の任期は2年で、2期続けたわけです。
今年の8月の総会で、新たな理事が選出されます。
それによって、僕は理事でなくなる可能性があります。
が、教科書出版部会というところで1年以上活動してきたので、理事でなくなっても、その仕事は続けようと思います。
現役の演出家たちが協力して、演劇の教科書を作る。
ぜひとも成し遂げたい仕事です。

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マーウェン [映画]

6月19日(土)
ロバート・ゼメキス監督『マーウェン』(2018年)WOWOWで鑑賞。

マーウェン [Blu-ray]

マーウェン [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • 発売日: 2020/08/21
  • メディア: Blu-ray


マーク・ホーガンキャンプ(スティーヴ・カレル)は自宅の庭でミニチュアの写真を撮り続けている、庭にミニチュアの町「マーウェン」を作り、そこで暮らすホーギー大佐と5人の女性たちが、ナチスと戦う姿をストーリー仕立てで描いている。
マークは酒場で男たちから暴行を受けて、重傷を負い、事件以前の記憶を失くしていた。
現在、犯人たちの裁判が進行中で、マークは被害者として出廷するように言われていたが、犯人たちと会うが怖くてたまらなかった。
ある日、道路を挟んだ向かい側の家にニコル(レスリー・マン)が引っ越してくる。
マークは新しい人形を買ってきて、ニコルと名付け、マーウェンの物語に登場させた……。

実話に基づいた映画。
『バック・トゥー・ザ・フューチャー』のロバート・ゼメキス監督は、『フォレスト・ガンプ』『キャスト・アウェイ』『ザ・ウォーク』『フライト』など様々な作品をヒットさせているが、この『マーウェン』は大コケしてしまった映画。
評論家にも酷評された。
しかし、現実とマーウェンの世界の二重構造はおもしろく、二つの世界の切り換えも鮮やか。
スティーヴ・カレルは何を見ても巧いと思わされるが、この映画でも記憶障害の男を繊細に、しかし楽しく演じていて、さすがだなと感心した。
僕は断固支持する。
お薦めです。

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地球星人 [本]

6月18日(金)
村田沙耶香『地球星人』(新潮社)読了。

地球星人(新潮文庫)

地球星人(新潮文庫)

  • 作者: 村田沙耶香
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2021/03/27
  • メディア: Kindle版


小学5年生の奈月は、ポハピピンポボピア星から来たピュート(いう名のぬいぐるみ)に命じられて、魔法少女として地球を守っている(と思い込んでいる)。
毎年のお盆は、長野県の秋級(あきしな)にある母の実家に家族4人で泊まりにいく。
親戚もみんな集まる。
奈月は、いとこの由宇が大好きで、自分が魔法少女であることを打ち明ける。
すると、由宇は、自分も宇宙人だと教えてくれた。
2人は恋人になった。
東京へ帰り、奈月はまた塾の夏期講習に通い始める。
担任の伊賀崎先生は、若くてハンサムで人気があるが、他に誰もいない所で、奈月の体をやたらと触った。
そして、ある日、奈月がトイレに棄てたナプキンを差し出し、「棄て方が悪い。ちゃんと巻きなさい」と言って、やり直しをさせた……。

『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した村田沙耶香氏が、その次に書いた小説。
『コンビニ人間』を上回る、変な人たちが登場する。
そして、最後はとんでもない所まで行ってしまう。
それはまるで筒井康隆氏の世界のようだが、とても冷めて、乾いている。
まあ、そうでなければ、辛くて、途中放棄していたと思うが。
はっきり言えば、全編狂気。
しかし、どこかコミカルなのが、救いと言えば救い。

今日は今年27回目のジョギング。
3,5キロ走って、1,2キロ歩いて、0,75キロ走りました。
3,5キロのタイムは、20分36秒。
前回よりまた4秒遅くなってしまいました。
頑張ったのに……。
執筆中の新作脚本は、全12場中10場まで書き上がりました。
あと2場。
頑張ります!

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ポップスター [映画]

6月18日(金)
ブラディ・コーベット監督『ポップスター』(2018年)WOWOWで鑑賞。

ポップスター [DVD]

ポップスター [DVD]

  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2020/11/06
  • メディア: DVD


2000年。
セレステ・モンゴメリー(ラフィー・キャシディ)は、姉のエレノア(ステイシー・マーティン) と同じ中学に通っている。
そこで、生徒による銃乱射事件が発生し、セレステは重傷を負う。
セレステは自分で歌を作り、エレノアと共に、姉た。犠牲者の追悼式典で歌う。
2人の歌は全米で注目を集め、シンガーとしてデビューを果たす。
マネージャー(ジュード・ロウ)も付いて、ショービジネスで活躍し始める。
18年後、セレステ(ナタリー・ポートマン)は31歳になっていした。
スターとしては落ち目になり、娘のアルベルティー(ネフィー・キャシディ)との関係も悪化していた。
そこに、クロアチアで銃乱射事件が発生したとのニュースが飛び込んでくる。
犯人たちは、セレステの曲のMVで使用された覆面を着用していた……。

原題は『Vox Lux』。
ナタリー・ポートマンが目当て見てみたが、前半は全く出番がなかった。
前半で「セレステ」役を演じたネフィー・キャシディが後半で娘の「アルベルティー」役を演じていて、最初はちょっと混乱してしまった。
清純だった少女が、18年後、エゴの塊のようなスターに変わってしまう。
ナタリー・ポートマンは自己チュー女を見事に演じている。
ラストのコンサートのシーンの歌いっぷり、踊りっぷりもすばらしい。
振り付けは、ポートマンの夫であるベンジャミン・ミルピエが担当したらしい。
ネフィー・キャシディも可愛かった。

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ルーシー・イン・ザ・スカイ [映画]

6月18日(金)
ノア・ホーリー監督『ルーシー・イン・ザ・スカイ』(2019年)WOWOWで鑑賞。



宇宙飛行士のルーシー・コーラ(ナタリー・ポートマン)は長期の宇宙滞在を終えて地球に帰還する。
ミッション中、広大な宇宙における地球の矮小さを実感し、地球上のあらゆるものが色あせて見えるようになる。
温厚な性格の夫ドリュー(ダン・スティーヴンス)すら、下らない人間に思えた。
ルーシーは同僚のマーク・グッドウィン(ジョン・ハム)と不倫関係になる。
ところが、マークが訓練生のエリン・エックルズ(ザジー・ビーツ)にも手を出していることを知り、情緒が不安定になっていく。
その不安定さを理由に次のミッションから外されてしまい、激しいショックを受ける……。

実話に基づいた映画。
2007年、宇宙飛行士のリサ・ノワックは、不倫相手のウィリアム・オーフェリンの恋人であるコリーン・シップマン空軍大尉に対して暴行をはたらいた容疑で逮捕された。
リサはコリーンにストーカー行為を行っていた。
しかも、ストーカー行為中にトイレに行かずに済むよう、宇宙飛行士が宇宙服の下に着用する「オムツ」をつけていたことで話題になった。
リサは宇宙飛行士を解任された。
映画は逮捕直前で終わる。
ナタリー・ポートマンは健闘していたが、脚本の出来が悪く、リサに全く感情移入できなかった。
残念。

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お笑い世代論 [本]

6月17日(木)
ラリー遠田『お笑い世代論』(光文社新書)読了。

お笑い世代論~ドリフから霜降り明星まで~ (光文社新書)

お笑い世代論~ドリフから霜降り明星まで~ (光文社新書)

  • 作者: ラリー 遠田
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2021/04/13
  • メディア: Kindle版


お笑い評論家のラリー遠田が、霜降り明星のセイヤが唱えた「お笑い世代論」を詳しく解説する。

要するに、お笑い芸人を生まれた年代で7つに分けるという理論で、具体的には以下の通り。

第一世代1931~1946生まれ
第二世代1947~1960生まれ
第三世代1961~1970生まれ
第四・第五世代1971~1976年生まれ
第六世代1977~1988年生まれ
第七世代1989以降生まれ

この本ではそれぞれの世代から2組をピックアップして解説し、各世代の特徴を抽出する。

第一世代/いかりや長介(ザ・ドリフターズ)、萩本欣一(コント55号)
第二世代/ビートたけし、明石家さんま
第三世代/とんねるず、ダウンタウン
第四・第五世代/ナインティナイン、ロンドンブーツ1号2号
第六世代/キングコング、オリエンタルラジオ
第七世代/霜降り明星、EXIT

遠田氏の分析は鋭く、正鵠を射ていると思う。
で、遠田氏の捉えた各世代の特徴とは、

第一世代/テレビ芸の開発者
第二世代/テレビ芸の完成者
第三世代/スタイリッシュでカッコいい芸人像
第四・第五世代/スター不在の群雄割拠
第六世代/テレビの外で活動
第七世代/まじめな優等生

副題通り、「ドリフから霜降り明星まで」、日本のお笑いを見事に総括した本。
お薦めです。

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